大西武文(平成退屈男)のねずみ講にご注意
逮捕の根拠である防犯ビデオは、証拠価値すら認められなかったからか、
地裁でも提出・開示出来ず、被告のビデオデッキを押収し、
“ !!! 堂々改ざん !!!! ”
最高裁で、9人の最高裁判官が
“ 還しませ〜ん 〜 ♪ ”
の、大合唱 ♪
その後、地裁から “ 受取れ ! ” 地裁は、最高裁判所の上部機関か ?
地裁・警察はとうとう最高裁判所の正体を暴露し、高裁裁判官は当然、最高裁判官9人も共犯者に仕立てた。
そう感じるのは、儂だけか ?
日本の司法が信じられなくって御免なさい。 >>375
子育て支援金といって日本の財政を盗んでいるのだから、
そんな汚れた人たちと大和のできのいい元お公家さんとか溝口健二とか
三島由紀夫なんて美しい人の遺伝子を勝手に使って自分の汚れを半減して
家柄がいいとかいっていきったり偉そうにするのはやめてください。 お知らせ
市原警察署の生活安全課の帰化人創価警官の指導の元、
入学式から2週間ほど、在日の創価学会員を主体とした自称防犯パトロールが、
2週間ほど行われることになりました
生活安全課の指導であることと、パトロールであることは、
絶対に公言してはいけないとの指導も、帰化人創価警官より出ています
期間中は2人組の在日の創価学会員が、頻繁に創価批判者の自宅周辺を、
うろつき回ると思われます
日本人の方は、充分に注意してください >>377
おしりはいつも、電磁波で振動があってそれも座っていたり
寝ているだけで、振動がきて病気になるようなで電磁波なので、
殺されそうです。
人の生命の誕生大事そうなおしりのデリケートゾーンに毎日24時間かけて
不正電波を送ってくる人間! 小山田圭吾なんてたいしたことないのに、王子様扱いさせるために努力をして、
小山田圭吾はことごとく自分より出来がいい大和民族を弾圧したり、
結果3億4000万人が戦後67年で影で弾圧されて
この13年で800万人が替え玉工作されて殺傷されて、
約135万人が整形された替え玉工作員と入れ替えられて拉致されてあり、
ゆきのいやらしい所がパソコンの画面が今までより超痛くなっていて
視力が1日3時間で0・5くらいづつ悪くなりそうな不正電波が出て変化していて、
画面をすこしななめにずらしておいているのに頭を睡眠薬を入れられて
悪くなっているので、記憶力が悪くて、また画面の電波が直接くる場所にいてもきずかすに
2時かん以上やっときづいて書きこむ今の状態!、
これも夢でゆきが毎日覗いていて私に悪さしたら書き込むので
宣伝になるみたいでこんなことでしか出世できないです。
研究するのに嘗め回すように見ていてきしょいです。
誰かどうにかしてください。 ドイツの大和民族ので気のいい遺伝子と
ドイツの遺伝子でドイツ政府がつくったと
根拠のない睡眠夢がいった
超天才のハーフが2012年8月にそのことを聞いて
この題名を読んで、
救援活動を少しだけしてくれて(だいぶの人もいるそうです。)いた人たち50人と
その家族5000人がドイツ政府の一部屋に
整形した工作員と入れ替えられて拉致隔離監禁されている恐れ50%で
2013年4月14日(日)の日本時間からのことで?
今日で、4日目で、パソコンとテレビとラジオを3台づつ設置されたといわれました。 >>380
偽者が現れましたね!
貴方は何処の回し者ですか?
これこそが証拠です! 俺は別に、どこも悪くない。ピンピンしていて、一日中、自転車で走り回っている。 花火の打ち上げは、
山の奥の谷間での打ち上げに等しく、
更に里に見えないように、
悪人が黒幕を張りますからな!
利口な行動では有りませんよ! 木材を腐らす雨を降らせて
世界最古の木造建築奈良の法隆寺のとかのある木造建築世界1だった
日本の技術を盗んで建造物も盗んでいる容疑で
残っているものを腐らすのに努力していそうです。
だから民家の中古の木造建築に引っ越しても腐りやすいで。 >>385
おめでとう ♪ (・_(・_(・_・。)ノ☆・゜:*☆【ネ兄】;:*:;゜:*☆ヽ(。・_・)_・)_・) オメデト(^_^)∠※PAN! >>386
反日でも、反政府主義者でもないです、ただ、
なんの落ち度もなく、官民が共謀した
公権力犯罪の被害を受けて訴えてる中、
(発端は、私名義の不動産を官民が共謀して強奪し、
虚偽病名で病気を装い保険殺人を、、、)
これに気づき沢山の証拠を持て訴えようとしたら
あらゆる所で、スパイ映画に出てくるような、
想像もできない事を沢山目撃・経験してます 貼り付けはやめろ!
投稿者:アジアシステム
投稿日:2010年 2月 2日(火)02時00分0秒
<img alt="" height="60" src="http://tbn0.google.com/images?q=tbn:uU4LKrr6yhXDiM" width="60" /> 平成版より
投稿者:平成退屈男投稿日:2010年 1月25日(月)17時34分41秒
o.44938 Re: No.44934 > 無(当然)いで済むものを提出し、それを公開し、内容にも事実が在るとなれば、
深意とは“深い意味”と説くもの! ◆ やはり、自白した ⇒ 検察官の虐め行為の隠蔽か ?
Re: No.44932 > 真実は強し! ◆ 先に手を出したのは ? 目撃者まで居るのに。。。 > 入歯はいずこへ?
◆ ポケットから出て来た乾いた入歯 ! 折れた歯は ? >
武道は<img alt="" height="60" src="http://t1.gstatic.com/images?q=tbn:J_EppRMZ8L3s8M" width="42" />
凶器、これ見よがしは脅し! ◆ 週2回干していたのが、11月2回・事件以降、12月1回・1月0回(?当方確認のみ?)
此れを地元警察が、事実を歪曲 ! 保証・指導して、未だに“隣家に無断で掘り返した跡(?境界石の位置を掘利返した?)”は、
未だ其の儘である。 いまも、国会が始まっているのに、小沢氏に絡み、国政妨害をする官憲(検察) !
大相撲中の横綱の行為は、初場所優勝が決まっても、表彰が終わる今日まで、8日間も報道規制した 官憲(警察)。
自民党は政権奪還の狼煙か ? 菊を預けるにはまだ程遠いぞ。 まだかな♪(・ ・。)(。・ ・)まだかな♪ よく耐えられて、生存出来た事を祝福します。
お( ̄○ ̄;)め( ̄◇ ̄;)で( ̄△ ̄;)と( ̄0 ̄;)う( ̄ー ̄;)
さあ
“刈り取りの時期”
です。 平成退屈男って、狛江市の住民なんだ
狛江の向こうの川崎に叔父がいてなたまに行くんだよ
ひょっとしたら お前に何処かで会っている可能性があると思うとぞっとする
あそこには 東京で有名ながんばる酒蔵があったな。飲んだぞ。うまかったが
もっとも お前が手淫の手で銘酒を飲むとぞっとする これも
まあ お前に高級酒は向かない お前は最低の合成酒で 脳をおかしくしてくれ
狛江にお前住んでいると言うことだけでむかつく お前の存在は狛江市を侮辱している
狛江市民に失礼だ 狛江の皆さん こんな男は市民ではありません 見かけたらヒパタイテやってください
出て行け 狛江から 市民をなめるな Commented by urai さん
平成退屈男さん、ページを拝見したこともなく、前後の事情も全然存じ上げませんが、意見を述べるのがブログの本筋。また再開されることを望みます。 >>391
頭の良い貴方が解らないのですから!
今日はこの点の全てを確認しましょう!! >>382
いやぁ、2chのスレで最初に書き込んだ板とかのお題で、
ふと退屈男とか革命とか思い出し、ググッてみたら・・・
ま〜だ、やってたんだヒツジさんw ある意味なつかしいw あんたの贅沢のせいで大和皆かわいそうな目に会っているよ!
本とか歌詞とは違う人間性で世界に大和資産をあげたお布施代で仕事を貰って
大和民族のなを使って大和音楽ファンをだましたような歌詞で生きるのやめて!
迷惑!もっとみんな人間性良かった!
汚れた仕事を大和民族の名でしないでください!迷惑です! >>396
待って下さいよ!まだ、今するとは言ってませんよ?
正当な行為ですよ。
ほりえもんさん関係がいろいろと教えてくれていますよね。 /⌒ヽ⌒ヽ
Y
八 ヽ
( __//. ヽ,, ,)
丶1 八. !/
| ! i 、 |
| i し " i '|
|ノ ( i i|
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~|/ i| ∵ __⊥_ :.ノ
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_c‐-、_,-‐ー-、__ノ人ヾ\゙ ー‐ -イ,_,_,_,-‐-‐ー-、_,-‐っ_
.E≡ ~´⌒\::::. ゞ ≡∃
 ̄`' ̄~`‐-、__,_ ィ , ヽ , ) _,、__,-‐'~ ̄`' ̄
~`;; ^ ー '` ー ' ヽ`~
l ヽ
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,-‐ー- 、__ l ,,,@,,, ノ __, -‐ー- 、
( ~⌒ ⌒ )
\ ヽ ■□■■□■ノ /
\ ヽ、 ヽ■□■■□ ,ノ /
\ l`ー‐--ー‐■■□■□-ー‐'、 /
〉 イ □■□■■ 〉 |
/ ::| (_ヽ \、
(。mnノ `ヽ、_nm ASエーエスマネジメント詐欺師望月信宏容疑者 また詐欺行為か警察は監視中
ASエーエスマネジメント詐欺師望月信宏容疑者 また詐欺行為か警察は監視中
ASエーエスマネジメント詐欺師望月信宏容疑者
また詐欺行為か警察は監視中詐欺業務多忙のため、当ホームページよりお問い合わせ→お申込みをしていただいた場合、費用から¥3000-割引いたします。
*お電話でのご相談の場合は、割引は適用になりません。
お振込先みずほ銀行 渋谷中央支店
普通 4791211有限会社 エーエスマネジメント
20代女性に「店任せる」と詐欺繰り返す
警視庁新宿署は15日、無職女性(25)に「ブランドショップの店長を任せる」などと
うその話を持ち掛け現金約110万円をだまし取ったとして、詐欺容疑で住所不定、無職望月信宏容疑者(34)を再逮捕した。 月の影
ディアナ(月)同盟軍は、宇宙機動艦隊を主力として、艦隊を横に並べて防衛線を張った。地球方向からは、無数の星のように光る地球連邦軍の大艦隊が接近してくる。
ディアナ軍旗艦の宇宙戦艦「ライファー」の同盟軍総司令官・バルバス提督の司令室に、敵から画像通信が入った。通信員がバルバスに報告する。
「提督、連邦軍から交信です」
「出せ」
すると、正面のスクリーンに、一人の男が映し出される。地球連邦軍総統・イクナシオンであった。バルバスは見上げて感嘆した。
「ああ、きさまか・・・」
相手も軍艦の司令室に居るらしい。宇宙服ではなく、軍服を着ている。無数の勲章が胸に輝いていた。
「バルバス、無駄な抵抗は避けよ。勝敗は目に見えている。俺は月の人間の血を流したくないのだ。
なぜ、降伏しない?ただ俺を総統として迎え入れれば、自由と平和が約束されるのだ。まだ間に合う。
いま、おまえが一言、全軍に停戦を命令すれば、誰も死なずに済むのだ。さあ、停戦命令を出せ」
バルバスは、右の拳を握り締めた。 デブ豚死ねデブ豚死ねデブ豚死ねデブ豚死ねデブ豚死ねデブ豚死ねデブ豚死ねデブ豚死ねデブ豚死ね
デブ豚死ねデブ豚死ねデブ豚死ねデブ豚死ねデブ豚死ねデブ豚死ねデブ豚死ねデブ豚死ねデブ豚死ね
デブ豚死ねデブ豚死ねデブ豚死ねデブ豚死ねデブ豚死ねデブ豚死ねデブ豚死ねデブ豚死ねデブ豚死ね
デブ豚死ねデブ豚死ねデブ豚死ねデブ豚死ねデブ豚死ねデブ豚死ねデブ豚死ねデブ豚死ねデブ豚死ね
デブ豚死ねデブ豚死ねデブ豚死ねデブ豚死ねデブ豚死ねデブ豚死ねデブ豚死ねデブ豚死ねデブ豚死ね
デブ豚死ねデブ豚死ねデブ豚死ねデブ豚死ねデブ豚死ねデブ豚死ねデブ豚死ねデブ豚死ねデブ豚死ね 「地球は独裁制で、おまえが考えた事はすべての人間が命令に従がうが、月は議会制である。私はただの将軍であって、独裁者ではない。
地球が攻めてくるならば、抗戦する事を、月の全ての国家が決定したのだ」
イクナシオンは、笑った。
「ならばバルバス、今停戦を発令すれば、その場で、私はおまえをディアナ軍総司令官に任命する。月の軍隊は、おまえのものだ。
悪い話ではあるまい。考えてもみよ。我が軍の艦隊は三八六隻、宇宙戦闘機は四八〇〇機、・・・おまえの軍は、いったいどれだけなのだ?」
バルバスはスクリーンを睨みつけた。
「私は嘘は嫌いだ。艦隊はおまえの十分の一以下、戦闘機も二十分の一だ」
「フフフ・・・バルバス、やめておけ。物理的に計算しても、我が軍が四十隻失っても、おまえは全滅する」
バルバスは、「フッ」と、苦笑した。
「そうだな・・・おまえの言う通りだ・・・」
「おお、バルバス、同朋よ、理解してくれたか。では、停戦命令を出せ」
「分かった・・・」
バルバスは、立ち上がった。大声で怒鳴る。
「この通信の発信源を突き止めたか?」
司令室の部下に聞いた。
「発見しました!」
「よし、宇宙潜水艦隊に攻撃命令!」 聞いていたイクナシオンは、
「きさまあ!俺を騙したな!」
「男は針の穴のチャンスに賭けるのだ!」
バルバスが喚くと同時に、地球軍艦隊の後方で、突然、数隻の潜水艦が姿を現した。
「総統、敵の潜水艦です!」
イクナシオンの司令室が騒ぎ始める。振り向きざま、通信を切った。それと同時に、数十発の魚雷が旗艦に向かって飛んできた。
「しまった!」
一発が旗艦の戦艦に命中する。
ディアナ軍のバルバスの旗艦では、「敵の旗艦に命中!」と、報告があった。
「よし、戦闘機、全機発艦!空母を叩け!」
地球軍艦隊の中央後方で大きな爆発が起こり、明らかに全軍が動揺しているのが分った。
「駆逐艦は突進しろ!戦艦・巡洋艦は、ミサイル発射!」
バルバスの怒号が司令室に響く。
地球軍の後方に現われた潜水艦隊は、魚雷を撃つと姿を消し、また現われては魚雷を撃つ、という攻撃を繰り返した。
とにかくイクナシオンの旗艦が被弾して、命令が全軍に伝わらないので、動きようがない。
ディアナ軍は、次に空母を集中して狙った。戦闘機が発進できないまま、次々に被弾する。
イクナシオンはようやく、旗艦から小型船で脱出して、
「全軍、反転帰投せよ!」
と、撤退命令を出した。地球軍の大艦隊が、全軍、反転を始めた。
バルバスは大声を張り上げる。 「深追いするな!イオン砲の届くところまでにしろ!艦隊は動くな!哨戒機、敵の被害状況を調べて報告せよ!」
数百の煙を吐きながら、地球連邦軍艦隊は、地球へ向かって帰投をしていく。
やがて、哨戒機の部隊から連絡が入った。それを印刷して手に取り、バルバスは読み上げた。
「旗艦戦艦中破、空母二隻撃沈・八隻大破、十三隻被弾、戦艦七隻大破・・・」
読み上げると、
「よし、戦闘機を帰艦させよ。月に帰投する!」
のちに「第一次宇宙海戦」と呼ばれた戦闘は、ディアナ軍の圧勝で終った。 月の空軍基地の門で、エミリは待っていた。手には携帯電話を持っていた。そのメールをまた見てみた。
「数日間の休暇が出た。十三月三日、基地の門で待っていてくれ」
それを見て、また、「うふふ」と、一人で笑う。
やがて、基地から軍人たちが、ぞろぞろと出てきた。エミリは集団の中を探した。
「おい、おい・・・」
手を振って走り寄ってきたのは、「中尉」の階級章を付けた若者だった。
「ウルコフ!」
叫ぶと、相手の男に飛び上がって抱きついた。
「やっと休暇が取れた。何か食べに行こう!」
ウルコフが誘う。駐車場に行き、自動車に乗って、エンジンをかけると、車体が少し浮いて、車輪が格納された。車は発進する。レストランに行った。二人で入る。
食事を注文すると、エミリは、ウルコフの顔ばかり眺めていた。そして、
「月でみんなが噂してるよ。バルバス将軍がイクナシオンを破ったって」
嬉しそうに話す。
「ああ、だから休暇が出た。当分、月に攻撃をかけてくる様子はないから、今のうちに休んでおけ、と、将軍の命令だよ」
「へえ、イクナシオンは死んだの?」
「とんでもない。あの怪物が簡単に死ぬか」
「じゃあ、まだ戦争は続くの?」
「ああ、今、参謀本部は作戦を立てている。軍事機密だから詳しくは言えないが、まだ思案している最中のようだ」
「休暇はいつまで?」
「一応、三日だけど、いつ収集がかかるかは、分らない。何せ、イクナシオンが、月も支配しようと挑んできているからなあ」
エミリは運ばれてきたスパゲティを食べながら、
「あなたは、宇宙戦闘機パイロットでしょ?敵の軍艦をやっつけたの?」
ウルコフはウナギ丼を食べながら、
「俺は爆撃が専門じゃない。爆撃機の護衛が専門だから、船は攻撃しないよ」
「ふーん」
と、じっと見つめてから、
「死なないでね」
と言った。ウルコフは、
「それは、保証できないな。イクナシオンは、一人で地球を統一した英雄だ。それと闘っているんだからな」
「そんなに強いの?」
「強いってもんじゃない。今度襲ってきたら、負けるかも・・・」
「負けたらどうなるの?」
「イクナシオンを神として崇めて、娯楽は禁止され、毎日6回の礼拝をさせられ、美人はみんな、イクナシオンの妾にされる」
「ヒャッ」
奇妙な声を、エミリが張り上げた。ウルコフは「あははは」と笑い、
「大丈夫、おまえは取られないよ」
「どういう意味だ」
エミリは少し、不機嫌になった。 エミリを家まで送ると、ウルコフは自宅に戻った。母・マチアが待っていた。
「やあ、母さん、数日だけ戻れたよ」
母は嬉しそうに、
「ますます父さんに似てきたよ。さあ、入りな」
ウルコフは靴を脱いで入った。そして仏壇に行って、父の位牌に手を合わせた。軍服姿の写真が飾ってあった。
「食事にするかい」
台所から母が声をかけた。
「ああ」
二人で、食卓についた。母が食事を用意して、一緒に食べ始めた。母が話しかける。
「前の戦争に、出てたんだろ」
「ああ」
「やっぱり最前線かい」
「もちろんさ。戦闘機乗りだからな」
「・・・」
母は少し黙ってから、
「父さんも立派なパイロットだったけど、・・・エミリちゃんを悲しませてはいけないよ」
「でも母さん・・・」
箸で新香を摘まむと、
「俺は軍人なんだぜ。しかも今度の敵は、月の国じゃない。地球なんだ。宇宙戦争なんだよ。どうなるか分ったもんじゃない」
マチアは暗い表情で、
「息子はおまえだけだ。もし死んだら、私はどうすりゃいいんだ」
「・・・」
それには、答えられなかった。
「無茶はしないさ・・・」
そう、言い訳をするのが精一杯だった。 その頃、ディアナ連合軍・作戦会議室。
バルバス提督を中心に、ディアナ軍の軍幹部が集まっていた。テーブルには、地球の首都・ニューヨークの画面が映っていた。参謀の一人が指揮棒で説明する。
「特殊部隊に偵察させたところ、このような物体が造られていました」
バルバスが聞く。
「なんだこのピラミッドのようなものは?」
「はい。エネルギーレベルを計測させたところ、我々の使用している液化水素燃料の一億倍以上のレベルを計測しました」
「一億・・・なら、核融合だな。やつらは開発に成功したのか」
「そうらしいのです。ここから、プラズマを放出して、すべての兵器の動力源としているところまで、突き止めました」
「そうか・・・では、これを破壊すれば、敵は動力源を失う訳だ」
「もちろん、予備として液化水素は持っているでしょうが、核融合を武器にした兵器は使用できなくなります」
「核兵器だと?もう開発しているのか?」
「いいえ、まだです。しかし、このピラミッドを破壊せねば、月を丸ごと消滅させる核兵器を開発してしまいます」
「急がねばならんな・・・どうやって破壊するか・・・」
他の参謀が意見した。
「この建物の耐久性はどうなのだ?」
「はい、それこそ水爆にも耐えられます。イオン砲など、何の役にも立ちません」
バルバスは、腕組みして手で顎を弄った。
「この穴は何だ?」
「これですか、排気孔です。核融合の排気を行なっている穴です」
「うーむ・・・ここに、ミサイルを撃ち込んだらどうだ?」
「穴の直径は、わずか十メートルです。しかも長さは核融合炉まで、数キロメートルあります」
「まっすぐなのか?」
「ええ、超高温の排気熱を放出させますから、曲がっていては、排気通路が溶解しますから、まっすぐです・・・何か知恵でも?」
バルバスは考え込んで、
「排気通路の構造など、それほど耐久性は無いだろう?」
「ええ、それが何か・・・」
「なら、方法があるかも知れん」
皆は、顔を見回した。 ウルコフは翌日は、朝からエミリとディズニーランドに行った。エミリは思いっきりはしゃいでいた。
ベンチに座ると、
「ねえ、私たち、そろそろ結婚しない?」
ウルコフは驚いて、
「軽いノリだな。そんな大事な事を・・・」
「あら?それとも他に誰かさんがいらっしゃるのかしら??」
顔を覗き込んできた。ウルコフは顔を背けて、
「いねえよ・・・」
そう答えると、エミリは、
「じゃあ、迷うのは、なぜかしら??」
更に突っ込んできた。その時、ウルコフの携帯電話が鳴った。
「はい・・・私です。・・・分りました」
電話を切ると、
「すまん。一旦、基地に戻れとの命令だ。すぐにまた出られるそうだから、待っててくれ」
エミリはプーと、頬を膨らませた。
「ちぇ、いいとこだったのに・・・」
ウルコフはエミリを家まで送ると、基地に戻った。
基地では、戦闘機のパイロットが三十人ほど集められていた。見たところ、部隊はばらばらで、知らない兵士ばかりである。待っていると、バルバス提督と、参謀本部の数人が部屋に入ってきた。最前列中央の大尉が、号令した。
「起立!」
「敬礼!」
皆が敬礼すると、バルバスも敬礼した。
「休め!」
皆が着席する。バルバスは、重く口を開いた。 「諸君、休暇中にご苦労。地球を攻撃する作戦が決まった」
皆は緊張して聞いている。
「ここに集められたのは、我がディアナ軍の宇宙戦闘機パイロットでも、最も優秀な兵士だ。誇りを持て。そして、簡潔に話すが、今度の作戦で、必ず戦死する任務に就くパイロットが、必要になった。人数は、三十人だ。いいか・・・」
皆は提督を凝視した。
「必ず戦死する。従って、この任務は、志願者だけにする。一日だけ考える時間を与える。志願するものは、明後日、午後十三時、再びこの部屋に集まれ。
そして、もうその者は、二度と家に帰る事は無い。これは命令ではない。志願である。志願した者だけに、作戦を伝える。そして、すぐに、任務に就いてもらう。
家族と別れ、遺書を書き、思い残す事のないようにしてから、ここに戻ってこい。なお、これは極秘であるから、志願しなくとも、記録として残らない。まったくの諸君らの自由意志である。以上」
「起立!」
「敬礼!」
「解散!」
号令が終ると、皆は部屋を出て行った。ウルコフは、突然、雷に打たれたような衝撃を受けていた。
ウルコフは、まず自宅に戻った。自分の部屋に閉じ篭って、思案する。
(必ず戦死する任務・・・)
ディアナ最高のパイロットの称号と引き換えに、自分の命を投げ出せ、という意味だ。
(どうする・・・)
母が部屋の外から、「ウルコフ、エミリちゃんが来たよ」と、声をかけた。「ああ」と、部屋を出て行く。
エミリと、車に乗った。 「どこに行きたい?」
神妙な顔で聞く。
「どこでも」
ウルコフは、
「一番、行きたいところは、どこだ?」
と、念を押した。
「何よ・・・変な奴・・・じゃ、海!」
「よし」
車を発進させて、海岸に向かった。砂浜で、並んで座った。空には、青い地球が浮かんでいた。それを見上げながら、
「エミリ・・・」
「なによ・・・あんた、おかしいよ。基地で何を言われたの?」
しばらく黙ってから、ウルコフは、
「・・・おまえには、嘘はつけない。でも、母には、本当の事を言わないで欲しい」
「・・・はあ?」
怪訝な顔をする。
「何が言いたいのよ?」
「エミリ・・・母には、俺は戦闘で戦死したと、伝えておいてくれ」
エミリは、じっと、黙って目を見つめていた。
「・・・死ぬの?」
「ああ・・・必ず・・・」
「そんな命令、あり?」
「いいや、断われば、降りられる」
「じゃ、降りて」
「それは、できない」
「どうして?」
「志願するからだ」
「だから、志願しないで」
「それは、できない」
「どうして?」
「・・・分らない」
エミリは、抱きついてきた。 「行かないで・・・」
ウルコフは、泣き出した。
「分らない・・・でも、それが俺の運命のような気がする」
エミリも、泣き出した。
「自分から死を選ぶのが、なぜ運命なの?」
「理屈じゃない」
「私は・・・許さないからね!」
立ち上がった。エミリは、車の方に歩いていく。ウルコフも立ち上がって、追いかけた。
「エミリ!おまえを愛している。だから、真実を話している。でも、母にだけは、志願したとは、言って欲しくない。頼む!」
両手でエミリの肩を掴んだ。
「離してよ!」
エミリは払いのける。二人は、黙って車に乗り、エミリの家まで送り、ウルコフは、家に帰った。
夕食が出来ていた。母と食事する。ウルコフが明るく話し掛けた。
「母さん、いよいよ、地球との決戦が近いうちにある。何人死ぬか分らない。覚悟しておいてくれないか?」
母は息子の顔を見て、
「おまえが死ぬ事なんて、考えたくもないよ。どうして軍隊になんか、入ったんだい」
「今さら何を・・・父さんに憧れたからじゃないか」
「私はいいよ。一人でも生きていけるから。でも、エミリちゃんは、どうするんだい?」
「ははは・・・心配ないよ。俺は死なないって!」
精一杯、明るく振舞った。 その夜は、眠れなかった。しかし、遺書は、書かなかった。
翌朝、またエミリが家までやってきた。
ウルコフは支度すると、
「じゃ、母さん、デートしてくる」
明るく笑って、出かけた。
エミリは、
「教会に行きたい」
と、言った。
「分った」
車を走らせ、町の教会に入った。エミリは、
「結婚式の真似だけでもしたい」
と、わがままを言った。ウルコフは、
「分った」
というと、神父に会いに行って、事情を話して、真似事をしてもらうことにした。
新婦は、教会にあったヴェールだけを頭に被った。二人が神父の前に立つ。
神父は「聖書」を持って、問いかけた。
「ウルコフよ、汝、健やかなるときも、病むときも、これを愛し、永久に妻とする事を誓うか?」
「はい。誓います」
「エミリよ、汝、健やかなるときも病むときも、これを愛し、妻となり、その魂を夫に委ねる事を誓うか?」
「はい、誓います」
「では、誓いのキスを・・・」
ウルコフは、そっとヴェールを上げて、エミリに口づけした。 家に帰ると、ウルコフは、マチアに、「母さん、明日の朝は、おはぎとしるこにしてくれ」と頼んで、その夜はぐっすり眠った。
朝起きると、おはぎとしるこが作ってあった。
「うまい、うまい」
バクバク食べる。
母は微笑んでいた。
「じゃあ、今度はいつ帰れるか、分らない」と、車に乗り込んだ。
母は見送って、「いつでも戻ってきな」と、手を振った。
「ああ」
それが、最後の母への言葉だった。
運転しながら、胸ポケットから、写真を取り出した。
それは、母・マチアの写真だった。
ウルコフは、基地のあの部屋に戻った。
人数を数えると、三十人、戻っていた。
全員だった。
待っていると、バルバス提督たちが入ってくる。
「起立!」
「敬礼!」
「休め!」
バルバスは、人数を数えると、
「済まない・・・どうしても、この作戦しか、思い浮かばなかった。今から、作戦を説明する。作戦室に入れ」
全員を、作戦室に集めた。
指揮棒で、テーブルの地図を指しながら、説明してゆく。 「このピラミッドは、核融合原子炉だ。エネルギーレベルは、液化水素の数億倍ある。もしこのエネルギーで兵器を造られたら、月を丸ごと破壊するほどの核兵器が出来てしまう。
また、この原子炉を破壊すれば、敵の兵器のすべての動力源を止める事ができる。そこで、破壊する方法だが・・・」
皆を見回してから、
「ピラミッドの四辺に、四つの排気孔がある。直径は十メートル、長さは数キロメートルで、直線である。ここに、正確な角度で、しかもブレが無い方法で、ミサイルを撃ち込むしかない。
しかし、ミサイルは必ずブレを生じる。たとえ穴に命中させても、数キロの通路を飛んでいるうちに、摩擦で爆発してしまう。そこで、・・・」
と、また、皆を見渡してから、
「一つの方法を考えた。宇宙戦闘機・デリアスなら、胴体直径は宇宙戦闘機の中で最も細い。即ち、爆弾を胴体の内部に詰め込み、機体ごと、排気孔に突入させる。
マッハ以上で、正確な角度で突入すれば、翼が吹き飛んで、胴体だけ原子炉まで、一気に滑り落ちる。分るか?脱出する方法は、無い」
パイロットの一人が質問した。
「胴体が原子炉に当たれば、原子炉は爆発するのですか?」
これには、参謀が答えた。
「爆発する。核融合爆発を起こす。地球全体が振動するほど、凄まじい爆発になる」
バルバスが続けた。
「核融合エネルギーが停止すれば、戦力は互角に成る。あとは、宇宙艦隊の決戦で、勝てばよい」
パイロットたちは、腕を組んでいた。
「どうだ?やれるな、おまえらなら。三十人居れば、一機は、突入できるだろう」
皆は、提督を見た。誰も返事はできなかった。
「三十機が限界だ。宇宙艦隊の決戦のため、これ以上は使えない」
一人が黙って提督に「敬礼」をすると、全員が「敬礼」をした。バルバスが「敬礼」を返す。
「頼んだぞ。月の運命がかかっている」 十三月下旬、ディアナ始まって以来の、戦争が開始されようとしていた。地球軍も、先の第一次宇宙海戦での損害を立て直して、真っ向から挑んできた。
ディアナ軍旗艦「ライファー」の艦橋では、突撃隊の「別れの水杯」が、行なわれていた。隊員たちは、自分たちの部隊を、「カミカゼ」と呼んでいた。
三十名の隊員は、横一列に並んで、一人ずつ、バルバス提督の杯を受け取って飲み干した。バルバスは、
「この決戦の勝敗は、諸君の成功如何にかかっている。頼むぞ!」
と、訓示した。全員、「敬礼」をすると、小型船に乗り移り、空母に向かった。バルバスは、司令室に入る。
「カミカゼが発進し次第、総攻撃を開始する!」
全軍に通達した。カミカゼ隊は、空母に移動すると、赤く塗られた機体の「デリアス」に、各々搭乗した。その中にウルコフも居た。彼は「十三号機」であった。ヘルメットから、交信が聞こえる。
「一号機、発進準備よし」
「二号機、準備よし」
「三号機、準備よし」
次々に報告する。十二号機の声が聞こえると、次はウルコフだった。
「十三号機、発進準備よし!」
士気は旺盛だった。三十号機まで報告すると、管制塔から、
「カミカゼ、全機発艦せよ!」
指示が下った。一号機から発進していく。
十二機が発進すると、ウルコフは、艦橋に向かって、「敬礼」をした。
「十三号、発艦する」
スロットルを全開する。機体は急発進して、空母を飛び立った。 旗艦・ライファーでは、
「カミカゼ、発艦しました」
と、報告があった。バルバスは、
「よし、全艦隊突撃、戦闘機は全機発進、駆逐艦は突進せよ」
戦闘命令を出した。
地球からは、星のような数の無数の大艦隊が向かってくる。
「敵戦闘機接近。味方戦闘機と交戦します」
通信員が報告する。
「敵の旗艦はまだ見つからんか?」
「索敵中です」
バルバスは、
(今回は、イクナシオンは出てきているかどうか・・・)
独り言を呟いた。
「カミカゼ」の三十機は、ディアナ艦隊の後方から、敵艦隊を避けるように、回り込んだ。目的の「ピラミッド」は、いま、地球の反対側にあった。
ウルコフは、操縦席の前に、母の写真を貼っていた。
通信が入った。
「こちら一号機、三隊に分かれる。散開せよ」
「了解」
三十機は、十機ずつ、三つに分かれた。従ってウルコフは、第二中隊の三番機になった。
「こちら一番機、ルートをインプットせよ」
「了解」
地球への侵入ルートをコンピュータにインプットした。すると、「ビー」と、警告が鳴った。ウルコフが報告する。
「こちら三番、敵潜水艦を確認。数は一隻」
「こちら一番、了解。二番機、指揮を移す。九機はルートを変更せよ」
「二番機、了解」
すると、一番機だけ、大きくルートを外した。何をするつもりか。
残り九機は、ルートを変更した。 一番機をレーダーで見ていると、敵の潜水艦にまっしぐらに向かっていた。
(まさか・・・)
見ていると、やはり、自爆する態勢である。やがて、衝撃波が観測されて、潜水艦も一番機も、信号を消した。ウルコフは「合掌」をする。
「こちら二番、敵潜水艦沈没、これより指揮を取る」
「了解」
旗艦・ライファーで、バルバスは怒鳴っていた。
「弾幕を脹れ!カミカゼはどうだ?」
「十一号機、敵潜水艦に突入し自爆、潜水艦は沈没!」
「他は?」
「残り二十九機、予定通り侵入中、まもなく大気圏に突入します!」
「よし、潜水艦を大気圏に突入させよ!」
あらかじめ地球の裏側で待機していた潜水艦部隊が浮上し、地球に突入した。
「シールドを張れ。大気圏突入」
カミカゼ隊も、大気圏に突入した。機体が燃え上がって、表面温度が数千度に達する。数分すると、大気圏を抜けた。
「敵機、接近中、これより単独行動」
「了解」
全機、散開した。敵の防空戦闘機が接近してくる。こちらは機体に爆弾を積んでいるので、空中戦は、難しい。
「こちら八番、被弾!」
やがて、八番機が大爆発して、レーダーから消えた。
遠方では、味方の宇宙潜水艦が、猛烈な砲撃で、敵戦闘機を撃墜していた。
「こちら二番、ピラミッドを捕捉。データを転送する」
「了解」
データが転送されてきた。ウルコフはコンピュータにインプットして、ルートを確保した。すると、「ビー」と、警告が鳴った。
「こちら三番、海に戦艦を確認」
「二番、了解」
マッハで飛んでいるので、数分でピラミッド上空に接近した。すると、別ルートから侵入した、二つのカミカゼがレーダーに映った。
「こちら三番、第一中隊、五機確認、第三中隊、七機確認」
「こちら二番、了解。第二中隊は八機。突入態勢に入れ」
「了解」
すると、海上の戦艦が、弾幕を張り始めた。これではピラミッドに近づけない。案の定、数機が大爆発した。ウルコフは、一旦上昇する。
すると、味方の宇宙潜水艦が、急速に高度を下げて、海上の戦艦に向かって突進を始めた。
「こちら潜水艦・ダグラス、戦艦に突入する」
通信が入る。宇宙潜水艦は、大気圏内では、魚雷を使えなかった。体当たりするつもりらしい。
敵の戦闘機をかわしながら見ていると、海上の戦艦がミサイルを撃ちまくり、味方の潜水艦は、被弾しながら、空から戦艦に向かって突っ込んでいった。物凄い大音響と共に、二隻の軍艦が大爆発する。
上空では、まだ数隻の潜水艦が、自分たちを護衛していた。
「こちら潜水艦・フィリップ、カミカゼ、突入せよ」
「こちらカミカゼ二十一号機、了解」
残っている「カミカゼ」は、十二機しか無かった。一斉に、突入態勢に入る。 ウルコフも、機を急降下させた。敵の基地からは、物凄い弾幕だった。次々にカミカゼが一機、二機と、空中爆発する。
「こちらカミカゼ十三号機、排気孔を確認した!」
ウルコフが叫ぶ。排気孔の角度を計測して、同じ角度で弾道飛行をセットした。もう、「ブレ」は許されない。
「エミリ・・・母さん・・・」
母の写真を右手に取って、左手で操縦桿を握り締める。排気孔が見えてきた。
「エミリー!!」
ドーン、と、機体が穴に突っ込んで、翼が吹き飛ぶ。そして、胴体だけ、通路を突進していった。
やがて、大音響と共に、「きのこ雲」が、巻き上がった。核爆発である。上空の潜水艦たちも、すべて巻き込まれた。
「地球で振動を確認!」
通信員が叫ぶと、
「地球の映像を出せ!」
バルバスが叫ぶ。見ると、まさに地上で、「きのこ雲」が立ち上がっていた。凄まじい爆発であった。
「攻撃を強めよ!」
ディアナ軍は、攻勢に出た。
「提督!敵の旗艦を発見しました!」
「よし、全軍、敵旗艦を攻撃せよ!」
ディアナ軍は、イクナシオンの旗艦に攻撃を集中した。戦闘攻撃機が、その艦に殺到する。やがて、その旗艦が、爆発、遂に沈没した。
敵の将軍らしき人物から、交信が入る。
「私は地球連邦軍宇宙軍司令官・ケルベス、総統イクナシオン閣下は戦死された。降伏する。繰り返す。降伏する」
バルバスは、立ち上がって、
「全軍、攻撃を中止せよ!」
遂に、決戦の幕を閉じた。 「宇宙大戦」が始まってから、エミリは、マチアの家に泊まり込んで、ウルコフの部屋を使っていた。
テレビで「ディアナの勝利とイクナシオン総統の戦死」を聞くと、マチアは大変に歓んだ。エミリは本心を隠し、一緒になって歓んだ。
しかし、数日後、一人の軍人が、家を訪ねてきた。二人が玄関で迎えると、その軍人は、帽子を脱ぎ、一礼して、こう言った。
「ご報告申し上げます。ご子息、ウルコフ=バスリンク中尉は、名誉の戦死をされました。
提督より、ぜひとも、ゴールドイーグル勲章を、授与したいとの事ですので、明日、戦勝式典において、ご出席を願います」
マチアは、それを聞くと、崩れ落ちた。エミリとその軍人が抱きかかえる。
「お母さん、しっかりなさって下さい」
エミリが必死に庇う。軍人は、
「無念です。優秀なパイロットでした。ぜひとも、明日の式典には、ご出席下さい」
マチアは、嗚咽して、返事ができなかった。代りにエミリが返事をした。
「分りました。出席させて頂きます」
「有難うございます。明日の午前十時、迎えに参ります」
軍人は、帽子を被り、「敬礼」をして、去った。
「お母さん、しっかり・・・」
「あの馬鹿者が・・・」
崩れたまま、マチアは息子を罵った。
「お母さん・・・」
宥めているエミリも、涙をボタボタ床に垂れ流していた。 翌日、盛大な戦勝式典が執り行われた。マチアはバルバス提督から、軍人最高の勲章を授与された。
大観衆の中、居並ぶ軍人と、戦死した兵士の家族が並び、「月の歌」を斉唱した。
月影の 至らぬ里は 無けれども
眺むる人の 心にぞ澄む
マチアは、勲章を首に掛けていたが、旗を見る事は無く、背を丸めて、ただただ、俯いていた。
エミリは常にマチアに寄り添っていた。胸を張って、旗を見上げ、小声で斉唱した。涙が溢れて止まらなかった。
夜、海に一人で行った。エミリは、星を眺めていた。
「どの星だろう・・・」
ウルコフの星を探した。そのとき、一筋の流れ星が走った。
「あ・・・」
エミリは、一人で叫んだ。
「ばかやろーッ!」
叫び終わる前に、流れ星は消えた。
大きな青い惑星が、夜空に浮かんでいた。
(母を頼む)
ウルコフの声が聞こえた。エミリは、ただひたすら、一人で泣きじゃくった。
(了) 小説「故郷への凱旋」
故郷への凱旋
・・・私はこの作品を、すべてのハンセン病患者に捧げる・・・
昭和十七年春、十八歳の小宮山浩作は、家で母・オキナと食事をしていた。
「きっと戦闘機乗りになる」
息子が言うと、母は、
「戦闘機は危ないよ。偵察機とか、そういう安全な飛行機にしな」
しかし息子は、
「男なら、零戦(れいせん)だよ。敵をバッタバッタと、撃ち落すんだ」
「零戦はそんなに凄いのかい?」
「世界一の戦闘機だ。ドイツのメッサーシュミットや、イギリスのスピットファイアや、アメリカのグラマンより、はるかに、はるかに」
「困ったもんだねえ。父さんは中華事変で戦死して、息子はおまえだけだ。何とか、生きて帰ってきて欲しいけどねえ」
「母さん、御国のために、出征するんだ。御国のためは、家族のため。母さんのためなんだよ」
「そんな屁理屈・・・」
食べ終わると、
「じゃあ、行くよ」
立ち上がった。母は見送りに出る。家の周りでは、近所の人たちが、日の丸を振って、歓声を上げた。
「頑張れよ、浩作!」
「コウちゃん、英雄になって帰ってくるんだよ!」
思い思いに声援を送った。迎えに来ていた兵隊が、
「さあ、小宮山、行こうか」
声を掛けると、
「はい!」
と、まだ赤い頬で返事をした。
皆は「ウオー」と、大歓声を上げる。母は、一応、皆の前では、笑っていた。そして、一人息子は、旅立った。 浩作は、霞ヶ浦の予科練で、訓練を受けた。そして、卒業を迎える。七つボタンの制服で卒業式を迎えると、いよいよ、配属の発表だった。順番に、名前が呼ばれる。そして、浩作の番だった。
「小宮山浩作!」
「はい!」
「ラバウル海軍航空隊!」
「はっ!」敬礼した。
浩作は、日本軍最強部隊、いや、世界最強部隊の、ニューブリテン島・ラバウルに配属になった。
同期の数人と共に、輸送船で、ラバウルに着任した。昭和十八年春だった。上陸すると、上官が出迎えた。名前を確認すると、
「ついて来い」
基地へ向かう。浩作は頬を紅潮させていた。
(世界最強の精鋭に選ばれた)
それだけで、興奮が収まらない。上官の後について、歩いていく。
そのときだった。
「ウイーーーーン」
と、けたたましくサイレンが鳴った。上官が、
「しまった。来やがった」
と、手をかざして、海の方を見ている。浩作たちも、そちらを見た。すると、空から、どす黒い塊が、近づいてきた。
「野郎、アメ公め・・・」
そういうと、
「おい、おまえら!」
「はい!」
「適当に基地で待ってろ。俺も飛ぶ」
そういうと、走り出して、去ってしまった。浩作たちは、歩きながら、基地に向かうが、見ていると、空の塊が、どんどん迫ってくる。そして、一機、二機、三機、・・・と、地上から、零戦が飛び立つ。 アメリカ軍の空襲だった。それを、ラバウル航空隊が迎え撃つ。見ていると、敵の編隊と、味方の編隊が、空で交差した。
そして、入り乱れ、やがて、火を吹いて墜落してゆく機体が、一機、また一機と、現われた。零戦は、まず爆撃機を狙っているらしい。
大型の航空機が、次々と墜落してゆく。しかし、中には、零戦が、敵戦闘機にやられて、墜落していた。
一時間も経ったであろうか。やがて、両軍は散らばって、アメリカ軍は帰投していった。
迎撃に向かった零戦が戻ってくる。
「おい、出迎えよう」
だれかが言うと、浩作たちは、戻って来る味方を出迎えに行った。中には、被弾して、血を流している飛行兵も居る。整備兵たちが、それらを抱き抱えて、診療所に連れて行く。
「すげえ・・・これが、戦争か」
誰かが唸った。すると、一人の飛行兵が、近づいてきた。階級章を見ると、「一等飛行兵曹(一飛曹)である。
自分たちは「二等飛行兵曹(二飛曹)」だから、たかが一階級上である。新米の連中は、挨拶程度に「敬礼」をした。するとその一飛曹は、
「あほんだらーーっ」
と、全員を殴り倒した。
「な、なんです、か・・・」
と、反抗した新米は、もう一発、殴られた。訳が分らない。
「貴様ら! 何を見ている! 大将のつもりか!」
怒号が轟く。
「す、すみません。初めてなもんで」
と言った新米にも、もう一発鉄拳が下った。
「な、・・・」
と、皆、ただただ、怯えている。一飛曹の飛行兵は、
「貴様らも手伝わんか! ろくに戦闘できな奴が、偉そうにするな!」
「は、はい!」
と、全員立ち上がって、とにかく、負傷者を探したが、もう、皆運ばれていた。
「どうしよう」
と、おろおろしていると、
「おい」
と、今度は「上等飛行兵曹(上飛曹)」が、声を掛けてきた。
「なんや、おまえら?」
すると浩作が、
「は、はい! 今日、着任しました!」
そういうと、
「ふん」
と、無視して、行ってしまった。 とにかく、訳が分らない。みんな、何を怒っているのか???
すると今度は、「少尉」の階級章を付けた飛行兵が寄ってきた。これには、さすがに、驚愕した。みな、一斉に、「敬礼」をする。すると少尉は、「敬礼」を返してきた。そして、
「おまえら、誰なんだ? さっきから見ていると、うろうろしているだけじゃねえか」
「は、はい! 小宮山二等飛行兵曹であります!」
すると、みんなが、順番に名乗った。
「ああ、分った。新米だな」と、少尉。
「はい。ただ今、着任しまいたいしまいた!」ろれつが回らない。
「ついて来い」
そう言って、歩き出した。皆は、少しホッとする。付いていった。
基地に入る。飛行兵たちが、飛行服を着替えていた。浩作たちが部屋に入ると、皆が一斉に「ジロ」と、睨んで、無視した。ビビッていると、少尉は、「じゃ」と、どこかへ行ってしまった。
浩作たちは、呆然と立っている。すると、また一人、「一飛曹」が寄ってきて、真ん前に立った。
「おい」
「はい!」
「予科練で習わなかったのか?」
「は、何をですか?」
「馬鹿やろーーーっ!」
「ひえー」
また、大怒号である。とにかく、緊張して、訳が分らない。するとその一飛曹、
「挨拶だよ、挨拶! 阿呆か、おまえら!」
やっと、何を怒られているのかが、分った。
「は、はいっ。小宮山二飛曹、着任しました!」
と、また順番に、挨拶する。するとその一飛曹、耳に手をやって、
「はあ? いま、何か言ったか? 聞こえんぞ」
すると浩作たち、力の限り、咽が破れんばかりの大声を張り上げた。
「こみやまにひそうであります!!!」
と、皆が力を振り絞って、「挨拶」をすると、
「ははは」
と、部屋のみんなが、初めて、笑い始めた。 「よおーし・・・」
と、一飛曹は、
「俺は、坂川一飛曹だ。おい、おまえ」
と、浩作を呼んだ。
「はっ」
すると、また、耳に手をやる。浩作は、
「はいっっ!!!」
と、力の限り、声を振り絞った。
「来い」
と、ベッドの方に行き、座ると、軍靴を脱いで、
「磨け」
浩作は、
「はいいい!!!」
と、返事をする。軍靴とブラシをもらうと、しゃがんで磨き始めた。
(やれやれ・・・これから、どうなるか・・・)
その夜は、爆睡した。 浩作たち新米は、数日間、おろおろして過ごした。とにかく、何をしていいのかが、分らない。その間、敵の空襲は無かった。
数日後、やっと、上官に呼ばれた。「大隊長」の部屋に一人で行く。
「小宮山二飛曹、入ります!!」
でかい声で挨拶して、入った。「大尉」の階級章を付けた、若い将校が机に座っていた。
「おう、小宮山か。座れ」
机の前の椅子を勧める。
「失礼します!!」
浩作は、律儀に座った。
「どうだ。ラバウルは?」
「はい! 私も早く飛んで、敵機を撃墜したいです!!」
大隊長は、笑った。
「今日から、栗屋大隊・第二中隊の長谷川小隊三番機を命ずる。小隊は三機で一小隊、三小隊で一中隊、栗屋大隊は、四中隊、大隊長と大隊付の二機を合わせて、全部で三十八機だ。覚えておけ」
「はっ!!」
「俺は、大隊長・栗屋大尉だ。よろしくな」
小宮山は、立ち上がった。
「はっ!! よろしくお願い申し上げます!!」
部屋を出て、飛行場に向かった。いよいよ、自分に飛行機が与えられる。ワクワクした。整備兵たちに聞いて、「長谷川小隊長」を探した。
「飛行兵曹長(飛曹長)」の階級章を付けた若い人が、零戦の傍に居るのを見つけて、走り寄った。
「失礼いたします!!! 小宮山二飛曹であります! 大隊長の命令により、長谷川小隊長のもとに参りました!」
すると、その小隊長は、
「おお、小宮山か。今日から、俺の三番機だ。おまえの乗る飛行機を見せよう」
「はい!!」
付いていくと、ちょっと古いが、しっかりした機体の、零戦の傍に来た。浩作は興奮する。 「これが、おまえの搭乗機だ。尾翼に「K384」と書いてある。覚えておけ。
「は、はい!」
「どうだ。飛んでみるか?」
「い、いいのでありますか?」
「もちろんだ。俺に付いて来い。さあ、着替えてこい」
「はははい!」
小躍りして、兵舎に駆け込んで、飛行服に着替えた。部屋に居た誰かが、
「何を慌てている? 空襲か?」
浩作は、
「飛行機を与えられました。今から初めて飛びます!」答えた。
「はっはっは。そりゃよかったな!」
浩作は、すぐに自分の愛機に向かった。整備兵が整備している。長谷川小隊長が待っていた。
「さあ、乗れ」
浩作は、梯子を伝って、コックピットに乗り込んだ。小隊長が翼に乗って、指示してくる。
「基本操作は知っているな?」
「はい! これが、操縦桿、これがスロットル、これがフットバー・・・」と、自分で説明する。
「零戦は練習機の赤とんぼとは違う。速度も旋回能力も桁違いだ。
いいか、これが、機首の7カンマ7ミリ機銃のスイッチ、操縦桿のノブのボタンが、機翼の20ミリ機関砲だ。
機銃は、撃ち続けると、数分で弾が切れる。撃つ時は、タタン、タタン、と、数発づつ撃て」
「は、はい」
「今、小川さんが空砲を入れてくれている。この機を担当する整備兵だ。挨拶しろ」
見ると、機体の下で、その人が弾丸を込めていた。浩作は大声で、
「小川さん! 小宮山二飛曹です! これからよろしくお願いします!!」敬礼する。
小川さんは、ニコ、と笑って、
「頑張れよ。にいちゃん」
敬礼を返した。小隊長は、「おい」と、下に居た「一飛曹」の飛行兵を呼ぶ。
「はっ」と、その人も翼に乗ってきた。
「二番機の斎藤一飛曹だ。今から、三機で練習だ」
「よろしく。斎藤一飛曹だ」
浩作は「敬礼」して、
「よろしくお願いします! 小宮山二飛曹であります!」
「元気がいいですな」
長谷川と斎藤が笑った。
「よし、飛ぶぞ。とにかく、俺たちに付いて、同じ飛び方をしろ。俺たちはくっついて飛ぶが、おまえは馴れるまで、二十メートル離れて飛べ。衝突されたら叶わんからな」
「はい! 分りました!」
「よし、エンジン点火!」
「エンジン点火!」
復唱し、スイッチを回す。キュルルル・・・と、三つのプロペラが回り始めた。ポン、と、浩作の頭を叩くと、長谷川と斎藤は、下へ降りた。それぞれの愛機に乗り込む。浩作は、興奮して、体が震えてきた。 整備兵の小川が乗ってきた。
「今日は、撃ちまくってもいいぞ。空砲だからな。でも、絶対に小隊長を狙うなよ」
冗談を言う。
「は、はい!」
見ると、長谷川が手を振っている。
「二人に付いて行け」
と言うと、小川は降りた。見ると、長谷川機が、動き出した。二番機の斎藤機も動き出す。浩作は、小川に「敬礼」をして、風防を締め、スロットルを上げた。機体が、動き始める。
「母さん、俺、戦闘機乗りになったよ」
独り言をいいながら、操縦桿を握る。長谷川機と斎藤機は、滑走路に入り、滑走を始めた。浩作も、付いていく。
まず、長谷川機が、滑走を初めて、飛び立った。次に、斎藤機が、飛び立った。浩作は、スロットルを上げて、滑走を始めた。機体が走り始める。50キロ、100キロ、と、速度が上がる。風景が、後ろに流れる。
スロットルを全開して、操縦桿を引いた。フワ、と、零戦が飛んだ。そのまま真っ直ぐ、空に向かう。
前の二機は、ゆっくり飛んで、待っている。浩作は速度を上げた。二機に追い付いて、二十メートル後ろに付く。
長谷川機が、機体を振った。すると、二機は、右と左に急旋回する。浩作は、小隊長の方に付いていった。すると、上から、何かが、こちらに向かってきた。
そして、ぴったりと真後ろに付かれる。長谷川が急上昇する。工作も上昇した。しかし、後ろの機は、付いてくる。良く見ると、斎藤だった。
「くそう。振り切ってやる」
勝手に、右に急旋回した。長谷川は、左に急旋回した。斎藤は、浩作の後ろに付いてくる。振り切れない。すると、長谷川が、斎藤の後ろを取った。斎藤は旋回して、逃げた。
長谷川が、浩作の横に付いた。斎藤の方に指を指す。浩作は「敬礼」した。斎藤を追いかける。斎藤は、わざとゆっくり飛んでいた。浩作は、その後ろを取った。操縦桿のノブに親指を掛ける。
「ドドドドー」
と、機銃が空砲を発射して、機体が振動した。斎藤は旋回して逃げる。わざと下手な逃げ方をしている。浩作は、追いかけた。すると、ヒューンと、少し離れた所を、オレンジ色の実弾が掠めた。
「敵か!」
と、驚いて後ろを見ると、長谷川だった。浩作は冷や汗を掻く。斎藤を放って、旋回して逃げた。
一時間ほど練習すると、三機は、地上に降りた。浩作は、機体を降りて、長谷川に駆け寄る。
「小隊長!」
「どうだ? 零戦の感じは?」
降りながら聞いてくる。
「はい、最高です!」
「そうだろう」と、話し掛けたのは、斎藤だった。
「おまえ、なかなかセンスいいぞ」褒めてくる。
「ありがとうございます!」
三人は、兵舎に向かって、歩き始めた。 「これからは、三人、どこでも一緒だ。早く腕を磨け、小宮山」長谷川が激励する。
「はい!」
まだ興奮おさまらず、浩作は、その夜は、眠れなかった。
数日後、またアメリカ軍の空襲があった。「ウィーン」と、空襲警報が鳴り響く。昼の食事をしているときだった。
「小宮山、来い!」
長谷川が食事を放り出して、部屋に向かう。浩作も付いていった。急いで飛行服に着替える。
「行くぞ!」
「はい!」
浩作の初陣だった。武者震いしてくる。ずらっと並んだ零戦に、大勢の飛行兵が一斉に駆け寄る。浩作も、自分の機に乗り込んだ。無線を操作する。
「こちら長谷川、小宮山、聞こえるか?」
「はい。聞こえます」
「日本の無線は壊れ易いからな、壊れたら、とにかく俺のケツに付いて来い」
「はい。分りました」
「いくぞ! 斎藤、いいか」
「こちら斎藤、発進準備よし」
「俺に続け」
次々に零戦が発進していく。空を見ると、あの、着任していた日のように、黒い塊がこちらに向かってきていた。
「母さん、見ていてくれ」
「いくぞ!」
見ると、長谷川が滑走を始めた。続いて、斎藤が走り始めた。浩作は、スロットルを上げて、発進を始める。機体が滑走する。
充分に速度を上げたところで、スロットルを全開して、操縦桿を引いた。機体がフワ、と、浮かび上がる。
長谷川と斎藤と浩作は、編隊を組んだ。
「こちら大隊長、先に爆撃機を狙う。第二中隊は戦闘機を引き付けろ」
「こちら第二中隊長、了解」
すると、九機が、大きく突進した。
「ついて来い、小宮山」
「はい」
とにかく長谷川にピッタリ付いていった。
敵も、戦闘機が突進してくる。中隊は、高度を上げた。すると、敵も高度を上げてきた。
「ソウドウが居るぞ。斎藤、気を付けろ」
「了解」
「ソウドウ?」と、浩作が言うと、長谷川は、
「胴体が二つある戦闘機だ。ロッキードP38だ。あれには気を付けろ」
「珍しいですね」
「グラマンも前のF4Fじゃない。新型のF6Fだ。馬力が強い」
「了解」
遂に、両軍は交差した。
「こちら中隊長、小隊行動」
「長谷川、了解」
「三上、了解」
今度は、三機での行動になった。すれ違いざま、敵が機銃を撃ってきた。長谷川は急旋回した。斎藤と浩作も付いていく。 「二時のグラマン四機を狙う」
「了解」と斎藤。
「了解」浩作も返事した。
右に捻り、上からグラマンの編隊を取った。ドドドド、と、長谷川が機銃を撃つ。グラマンは、散開した。長谷川は先頭の機を追った。斎藤は右の機に付いていった。浩作は、
「ならば」
と、左に旋回した。グラマンの後ろに付く。ドドドド、と、機銃を発射するが、全然当たらない。更に追う。また、ドドドド、と、発射するが、外れた。敵が右に急旋回する。浩作は喰らいつく。また、ドドドド、と、撃つが、当たらない。
「クッ。難しい!」
どうしても、当たらない。掠りもしなかった。それでも、なお、食いついた。敵は左に急旋回する。こっちも付いていく。敵は、右、左、右、と、捻って振り切ろうとする。それを追う。
すると敵は、ローリング(横回転)をした。すると、なんと、自分の機が、敵の前に飛び出してしまった。
「しまった!」
ドドドド、と、今度は敵に追われる立場になった。必死にかわす。
「小宮山! 小宮山!」と、長谷川。
「はい! 振り切れません!」
「いま行く。三時に逃げろ!」
「はっ」
と、右に急旋回した。ドーンと、機体が振動した。
「やられました!」
「落ち着け! 煙は出ていない。燃料計は減っているか?」
「いいえ!」
「貫通しただけだ。落ち着け!」
「はい!」
体がガタガタ震えてきた。すると、前方から、零戦が一機、突っ込んできた。
「うわっ」
と、思わず頭を下げる。ドーンと、爆発音がしたのは、後ろのグラマンだった。ウオーンと、煙を吐いて高度を下げていく。
「大丈夫か、小宮山」
「はい」
「今から前に行く。そのまま飛べ」
「はい」
真っ直ぐ飛んでいると、さっきすれ違った零戦が前に出てきた。 「おまえはまだ一人では無理だ。俺に付いてこい」
「了解」
「しまった! ソウドウだ!」
と、長谷川は、左の方を見ている。そちらを見ると、なるほど、胴体が二つある、異様な形の戦闘機が、一機、こちらに向かってきていた。
「小宮山、逃げろ!」
「はい」
分らないが、とにかく上昇して、雲のほうに向かった。長谷川を見ていると、その「双胴」と、やり合うつもりらしい。
「小宮山」
「は?」
「斎藤だ。小隊長を援護する。俺に付いてこい」
「はい」
斎藤の零戦が、寄ってきたので、それに付いた。長谷川は、「双胴」と空中戦をやっていた。
その上空から、双胴に向かって、突進した。斎藤が機銃を撃つ。浩作も撃った。すると双胴は、当たっていないのに、プロペラが止まって、落ちていった。
「やった!」
と、浩作が叫ぶと、
「ちがう! 曲芸だ!」と、斎藤。
見ると、双胴のプロペラが回り始めて、急降下して、どこかへ行ってしまった。
「追いますか? 小隊長」と、斎藤。
「三機でも無理だ。止めておけ」
「そうですね」
結局、その日、浩作は、二発の被弾を受けただけで、戦果は上げられなかった。 その夜、浩作が夕食を食べていると、長谷川が横に座った。
「どうだ、初陣の気分は?」
ちょっと考えてから、
「弾が当たらないのには、驚きました」
「弾か・・・まあ、経験だな」
「ところで小隊長」
「ん?」
「あの、双胴って、何者なんです?」
「ああ、もう、六機撃墜されている。物凄いパイロットだ。いいか、出くわしたら、一目散に逃げろ。おまえでは、まだ勝てない」
「そんなに凄いんですか?」
「見ただろう? 空中戦で曲芸をやる奴だ。俺も見たが、機体に日の丸が三十八個付いていた」
「どういう意味です?」
「三十八機撃墜しているんだよ。俺にも星が十七個書いてある」
「ええ」
「おまえも、早く愛機に星を書けるようになれ」
「はい」
「ところでどうだ、今夜、上陸するか?」
「どこへです? 戦争があるんですか?」
「はは、遊郭に上陸だよ」
「ああ・・・」
「行ったことあるか?」
「いえ、無いです」
「なら、付いて来い」
「は・・い・・・」 それで、ラバウルの遊郭に行く事になった。長谷川は、
「夜は、上官も部下も無い。長谷川、でいいぞ」
「はい、小隊長」
長谷川は、浩作の頭を撫でた。遊郭に入る。
「いらっしゃい。おや、ハセさん、弟さんですか?」
「ああ。コウちゃんだ。よろしく」
座敷に案内された。芸者が踊り、二人で酒を飲んで、はしゃいだ。
「コウちゃんは、いくつ?」
「じゅ・・・じゅうくです」
「あらあ・・坊やね。今夜はお姉さんが、お相手してあげるわ」
長谷川は、笑っていた。
「ぼうや、ドウテイ?」
「え?」
「女性を抱いた事は、おあり?」
「ななな・・ないです」
「じゃあ、お姉さんが、教えてあげるわね」
芸者が擦り寄ってきた。胸の谷間が雪のように白かった。浩作は、興奮してしまった。
「まあ・・・ハセさん」
「なんだ?」
「この子、興奮してるわ。早くしてあげないと」
「ああ、連れていっていいよ」と、長谷川。
「じゃ、行きましょう」
「ど、どどこへですか?」
「部屋に決まっているじゃないの」
長谷川は、
「今日は、コウちゃん、空でも初陣だったんだ。一機落としたぜ。夜も初陣だな。はっはっは!」
酒を飲んで大笑いしている。
「さあ、コウちゃん」
芸者が誘う。興奮しながら、浩作は、付いていった。 小さな赤い部屋に入る。布団が敷いてあった。
「さあ、コウちゃん、脱いで」
と、芸者は服を脱がし始めた。そして、裸にすると、アレをくわえてきた。
浩作は、大興奮する。芸者は、浩作の手を、自分の乳房に誘った。浩作は興奮しまくって、すぐに出してしまった。
「げきつーい!」と、芸者。
「なによ、コウちゃん。まだ何もしてないじゃない。さあ、もう一度」と、自分も、裸になった。浩作は、」また興奮してきた。
「さすがに若いわね」
一緒に布団に入る。
「お姉さん」
「なに?」
「ここはラバウルだぜ。戦争しているのに、なんでこんなところに居るんだ」
「従軍慰安婦だよ」
「ウーン・・・兵士を慰めているのか?」
「それが、私たちの勤め。私らも、戦争しているんだよ」
「朝鮮人か?」
「・・・」
「きれいだな。朝鮮人は・・・」
浩作は、朝鮮人に、童貞をあげた。 数日後、またアメリカ軍の空襲があった。浩作は、初陣の時よりも落ち着いていた。今度は、午後の訓練中だった。
「ウィーン」と、空襲警報が鳴り響く。
「弾槽を詰めろ!」
「燃料補給! 急げ!」
整備兵たちが一斉に準備に入る。将校が一人、望遠鏡を覗いていた。
「爆撃機が多いな」
傍に居た長谷川が、
「双胴はどうです?」聞いた。
「見えないが、たぶん、居るだろう」
「準備完了!」と、整備兵。
「よし、小宮山、行くぞ!」
「はい!」
零戦に飛び乗る。整備兵の小川が、
「コウちゃん、まだ二回目だ。無理をするな」
「ええ。無茶はしません」
小川が「敬礼」をして、車輪止めを外した。浩作がエンジンをかける。
「小宮山、斎藤、聞こえるか」
「こちら斎藤、発進準備よし」
「こちら小宮山、準備よし」
「よし、発進!」
長谷川に続き、斎藤、そして、浩作、と、発進した。
「こちら大隊長、小隊行動。戦闘機を後回しにして、爆撃機を撃墜しろ」
「第一中隊、了解」
「第二中隊、了解」
「第三中隊、了解」
「第四中隊、了解」
栗屋大隊は、散開した。
「斎藤、小宮山、B17が見えるか?」
「見えます」と、斎藤。
「四発の大型機ですか?」と、浩作。
「そうだ。ボーイングB17だ」
「見えます。三機見えます」
「それをやるぞ。続け」 長谷川が速度を上げた。二機が付いていく。B17は、真っ直ぐラバウルに向かっている。その前方上空を取った。B17が反撃してくる。
「敵の機銃に気を付けて突っ込め!」
長谷川が、急降下した。二機が続く。B17に突進する。ドドドド、と、20ミリ機関砲を浴びせた。B17の一機が、煙を吐いた。下に突き抜ける。
「反転して、もう一度!」
長谷川が急上昇する。
ドーンと、そのとき、長谷川の零戦が爆発した。
「小隊長!」
浩作が叫ぶ。
「小宮山、後ろだ!」
「えっ?」
と、後方を見ると、「双胴」が、自分たちの後ろに付いていた。
「小宮山、付いて来い!」
「はい」
長谷川の零戦は、空中分解していた。斎藤は急降下する。浩作も続いた。しかし、双胴も急降下してきた。速度は、500キロに達した。海が目の前に迫ってくる。
「斎藤一飛曹、墜落します!」
「操縦桿を引け!」
「くっ」
スロットルを下げて、思い切り操縦桿を引いた。
「空中分解するぞ!」
自分で浩作が叫ぶ。しかし、双胴は、それでも付いてきた。オレンジの光が、機体を掠める。
二機は、海面すれすれで、上昇を始めた。しかし双胴は、平気で付いてくる。
「なんて奴だ」と、斎藤。
「どうします?」と、浩作。
「分かれよう。おまえは左へ旋回しろ」
「了解」 斎藤は右、浩作は左に急旋回した。双胴は、右に旋回した。それを見て、浩作は、急上昇して、反転し、双胴を追った。双胴は、斎藤を完全に捉えている。
「だめだ。振り切れない。小宮山、逃げろ!」
ドーンと、爆発音がすると、斎藤の零戦が、煙を吐いた。しかし、うまい具合に、浩作は、双胴の真後ろに付いた。斎藤は、墜落した。
「くっそー!」
ドドドドドドドド、と、浩作は機銃を撃ちまくる。双胴は、旋回して避ける。それを浩作が追う。
ドドドドドドドド、と、更に撃ちまくるが、当たらない。双胴は、「ローリング」をした。すると、ス、と、浩作は、双胴の前に出てしまった。
「しまった!」
(やられる)と、恐怖する。完全に、双胴は、後ろを取っていた。しかし、なぜか、撃ってこない。
「くそう!」
左に急旋回する。すると双胴は、逃げていった。
「なんだ?・・・逃がしてくれたのか?」
驚いて見ていると、
「こちら大隊長。長谷川小隊三番機、上昇して雲に隠れろ」
(いやだ・・・)
浩作は、あえて、双胴を追った。双胴は、もう、零戦を一機、捉えていた。その後ろに浩作が付いた。すると、双胴は、上に逃げた。浩作が追う。
「こちら大隊長。長谷川三番機、命令を聞け! 軍法にかけるぞ!」
(いやだ!)
無視して、双胴を追った。すると双胴は、上昇の途中で、エンジンを切って、急降下し始めた。
「また曲芸か!」
それを追うが、双胴は、またエンジンを入れると、急上昇して、浩作に向かってきた。浩作は旋回して、相対する。真っ直ぐ、二機が正面から突っ込む。
浩作は、ドドドドドド、と、機銃を撃ちまくった。しかし、双胴は、撃ってこない。すれ違うとき、双胴のパイロットの顔が見えた。なんと、「Vサイン」をしていた。
「ふざけやがって!」 浩作は、錯乱していた。双胴は、浩作とは、戦う気は、まったく無いらしい。しかし、長谷川と斎藤を殺された憎しみが、浩作を支配していた。
「こちら大隊長。長谷川三番機、名前を名乗れ! 無線が壊れたのか!」
「小宮山浩作二等飛行兵曹!」
「聞こえているのか! 命令だ! 上昇して、雲に隠れろ!」
「命令は聞けません!」
「何だと! きさま! 降りたら、もう飛べなくなるぞ! それでもいいのか!」
「双胴を撃墜します!」
「おまえでは無理だ! 命令に従え!」
「撃墜します!」
「もっと腕を磨いてからにしろ!」
浩作は、無視した。双胴を探すが、見当たらない。あちこち探すと、何と、自分の真後ろに付いていた。
撃ってこない。
双胴は、あくまでも自分とは、戦うつもりは無いらしい。
機体を振って、「降参」をすれば、許すつもりらしい。
「どうする・・・」
そのまま飛ぶ。やはり撃ってこない。
「小宮山、双胴はおまえを逃がす気だ。機体を振って、上昇しろ!」
「小隊長・・・」
浩作は、下に急旋回した。双胴は、追いかけてくる。今度は急上昇した。双胴も上昇する。
「かあさん!」
ドーン、と、激しく機体が振動した。コックピットから、火が出た。自分の服に火が燃え移った。機体は煙を吐いている。必死に操縦桿を握る。ちょうど、前方は、海岸だった。不時着しようとする。
操縦桿を必死に上げて、機体を持ち上げる。火は体に燃え移ってきた。地面が迫ってくる。
ドーンと、砂浜に不時着した。浩作は急いで消火器を持って、脱出する。自分に、消火器をかける。火が消えたと思った瞬間、意識を失った。 気が付くと、どこかの部屋に居た。しかし、部屋が揺れているので、どうも船に乗っているらしい。
よく見ると、どうも、見え方がおかしい。右手で触ってみると、左眼が見えなかった。そして、左手を見ると、焼け爛れて、指が無かった。左腕は、あまり動かなかった。
「気付いたか」
近くに居た軍医が、話し掛ける。
「見ろ」
と、鏡を見せた。
まるで幽霊だった。右目が見えているだけで、顔は爛れて、唇もぐしゃぐしゃだった。
「よく生きていたな。本国送還だ」
しゃべろうとするが、「ウウウ」としか、声が出ない。
「これは輸送船だ。故郷に帰れる」と言って、笑った。
担架に運ばれて、故郷に帰る。家では、母が待っていた。
「浩作、浩作!」
母が寄ってくる。
「ウウウ」
と言って、首を縦に振った。家の中に運ばれて、布団の上に降ろされる。
「ありがとうございました」
母が、兵士たちにお辞儀する。兵士たちは、一礼して、去っていった。
母が、寝ている浩作の傍に座った。
「嬉しいよ。浩作」
「ウウ・・・」
「もう、戦争に行かなくて、いいんだね」
「・・・」
「おまえは悔しいだろうけど、母さんは、嬉しいんだよ」
「・・・」
「さあ、起きられるか?」抱き抱えて、座らせた。浩作は、包帯の巻かれた、指の無い左手を見ていた。涙が溢れてくる。
浩作は、「紙と筆」のゼスチャーをした。母が、紙と鉛筆を持ってくる。浩作は、右手で何かを書いて、渡した。
「母さんから頂いた体を、申し訳ありません」
母は、泣いた。
「いいんだよ。おまえが、生きてくれるだけで。生きて帰ってきただけで・・・」
息子を、抱きしめた。
浩作は、涙が滝のように流れ出た。
(了) ★マインドコントロールの手法★
・沢山の人が偏った意見を一貫して支持する
偏った意見でも、集団の中でその意見が信じられていれば、自分の考え方は間違っているのか、等と思わせる手法
・不利な質問をさせなくしたり、不利な質問には答えない、スルーする
誰にも質問や反論をさせないことにより、誰もが皆、疑いなど無いんだと信じ込ませる手法
偏った思想や考え方に染まっていたり、常識が通じない人間は、頭が悪いフリをしているカルト工作員の可能性が高い
靖国参拝、皇族、国旗国歌、神社神道を嫌うカルト
10人に一人はカルトか外国人
「ガスライティング」で検索を! >>446は掲示板荒らしを止めろ!
少なくとも義務としても八田秀子の遺産問題を説明する義務が有るのに!
無視して答えない為! 飛翔の時代
俳優の神谷亮は、今日はオフだった。東京の公園で、一人でのんびりしていた。ロレックスの腕時計を見ると、昼の十二時を過ぎていた。
コンビニでおにぎりをいくつか買って、ベンチに腰掛けて、公園の人々を眺めながら、おにぎりを頬張った。
若い婦人が、一人の女の子を連れて、近寄ってきた。二人に目をやりながら食べていると、婦人が、娘らしい女の子に、「さあ」と、促した。女の子は色紙を持っていて、こう言った。
「神谷亮さんですか」
亮は、食べるのを止めて、ニコ、と俳優の顔になって笑い、
「そうだよ」
優しく答えた。女の子は、色紙とマジックを両手に持って差し出し、
「お願いしまーす」
大きな声で言った。
「名前は?」
「おおにしきっかです!」
可愛らしい大きな声で返事をする。亮は色紙とマジックを受け取ると、サインと、日付と、「おおにしきっかちゃんへ」と、ひらがなで書いて、「はい」と、渡した。女の子は、大きくお辞儀して、
「ありがとう!」
お礼を言った。母らしい婦人も一礼して、二人は、立ち去った。亮は、また、おにぎりを食べ始めた。
空は青かった。春の日和が照りつけていた。カラスが飛び回っていた。亮はまた普段の自分の顔に戻って、一息ついた。
その瞬間だった。
「ドーン」
と、凄まじい爆発音が、かなり近くで轟いた。亮は、おにぎりを落として、思わず立ち上がって、爆発の方向を探した。
見ると、人々が固まって逃げ回っている、巨大ビルがあった。そのビルの一階から、炎と黒煙が上がっていた。亮は、そのビルに向かって走り出した。 ビルでは、何人かが地面に倒れて血を流していて、それを大勢の男たちが、ビルから離そうとして、担いでいた。亮もその群れに加わった。
ビルからは大勢の人が飛び出して逃げてゆく。女性たちは悲鳴を上げ、男性たちは「救急車を呼べ!」「警察はまだか!」と、怒鳴り散らす。
まるで修羅場だった。ビルからはどす黒い黒煙が噴出している。見ると、ビルの玄関に、大型トラックが突っ込んでいて、そこから凄まじい炎が噴き出していた。
すると右往左往する人の中で、さっきサインした女の子の母らしい女性が、立ちすくんで悲鳴を上げていた。
それを見つけると、亮は、その夫人の方に駆け寄った。見ると、なんと、道路の上で、さっきサインした女の子が、描写できないような無残な姿で、血みどろになって倒れている。
手足はバラバラだった。亮は、総毛だって、悪寒に襲われ、しかし、しっかりした口調で、
「奥さん、早く逃げて下さい!」
婦人を急かした。しかし婦人は、「きっか! きっかあー!」と、半狂乱になって、動かない。亮が肩を抱えて連れていこうとすると、婦人は道にしゃがみ込んで、喚き続けた。
やがて「ウィーン、ウィーン」と、消防車や救急車やパトカーが、集まってくる。亮は、ズタズタになった女の子を、あえて抱き抱えた。
血だらけになって、「奥さん!」と、急かすと、やっと婦人は、ニ三度頷いて、立ち上がって、亮と一緒に走り出した。すると、直後に「ドーン」と、また大爆発が起こる。
消防士たちが、必死に消火活動を始める。警察官が、「下がって! 下がって!」と、人々を誘導する。
離れた場所まで逃げると、亮は、女の子の遺体をさっきまで居た公園の地面に置いて、ビルを眺めた。凄まじい光景だった。群集も、公園に避難していた。
「またテロだ」
「尊王革新党だ」
「なんて奴らだ」
男たちが話し合う。亮は、
「尊王革新党・・・」
呟きながら、消防活動を見守っていた。 亮は自宅にタクシーで帰ると、血みどろの服を脱いで、シャワーを浴びた。ズタズタになった女の子の姿が、目に焼き付いて離れなかった。
とても、何も食べる気にならない。ソファに座って、リモコンでテレビを点けた。臨時ニュースを放送していた。
「・・・爆発がありました。トラックに爆薬を積んで、突っ込んだものと思われます。犯人は見つかっていません。突っ込むときに、トラックから脱出したものと思われます。
なお、過激派・尊王革新党が、犯行声明を出しており、その内容は、政府民自党の独裁政治に対する鉄槌である、という内容です・・・」
「尊王革新党か・・・」
テレビを見ながら、自分でコーヒーを入れた。コメンテーターが解説する。
「尊王革新党の犯行だと思います。政府民自党の最近の全体主義的な政治のやり方に対する反発でしょう」
キャスターが質問する。
「しかし、だからといって、何の関係も無い一般市民を狙ってテロを起こすというのは、どういう神経でしょう。これで、先月の大阪のテロに続き、革新党と思われるテロは、三回目です」
「テロを起こして、治安を乱し、世論の民自党への支持をやめさせる狙いがあると思います」
「しかし、テロでは、世論は動かないと思いますが」
「革新党は、民自党が政権から手を引けば、テロをやめると宣言しています。衆議院を解散し、選挙の結果、民自党が過半数割れを起こせば、事態は解決するかも知れません」
「しかし、連立を組んで、政権を維持すれば、テロは終らないわけですよね」
「その通りです。だから民自党は、解散よりも、強硬措置に出て、革新党の壊滅を図っている訳です」
「しかし、革新党は、今や、巨大なテロ組織になっています。警察の力だけで、壊滅できるでしょうか?」
「そこなんです。自衛隊を動員する事も、充分、考えられます」
亮は、コーヒーを煤って、ソファに座って、テレビを注視した。 「しかし、自衛隊は、国外からの侵略を防ぐための組織であって、治安組織ではないですよね」
「そこです。革新党を壊滅するためには、自衛隊の力が必要です。もはや警察では手に負えません。自衛隊を、合法的に、治安組織にするため、戒厳令を発動する事も、充分、考えられます」
「戒厳令ですか。そこまでやると、世論の支持が得られないのではないでしょうか」
「革新党は、それを狙って、テロを起こしているのです」
「自衛隊を動かしてでも、ですか?」
「そうです。むしろ、それを望んでいるのです。民自党が戒厳令などの強行措置を行なえば、国民の支持が得られなくなって、政権を手放さなければならなくなります」
「しかし、そのまま、民自党が、自衛隊を使って、軍事国家に持っていく可能性は、無いですか?」
「ははは・・・いくらなんでも、そこまではやらないでしょう。人間性があるなら。自衛隊の力で革新党を壊滅すれば、戒厳令を解く筈です」
「そうですね」
亮は、「なるほど」と、頷いていた。そのとき、携帯電話が鳴った。
「もしもし」
「神谷くんか。マネージャーの高山だ」
「ああ。どうしました」
「今夜のドラマ収録は中止だ。その代わり、特番に出てくれ」
「特番?」
「そうだ。今日のテロの特番だ。君に俳優として、意見をしてほしいそうだ」
「分りました。実は、さっき、その現場に居たんです。今、帰ったところなんです」
「えっ? なら、どうして事務所に報告しないんだ」
「今帰ったんです。今から電話しようと思っていたんです」
「わかった。なら、特番にはちょうどいい。その事をテレビ局に言っておくよ」
「わかりました。今から行きます」
電話を切った。テレビでは、臨時ニュースを続けていた。亮はテレビを切って、着替え、自分の車で、テレビ局に向かった。 テレビ局の楽屋で支度をしていると、「トントン」と、ドアをノックする音がした。
「どうぞ」
入って来たのは、親友のテレビ局記者の塩谷だった。「やあ」と言うと、亮の傍に座った。
「特番だそうだな」と、塩谷。
「ああ。現場に居たんだ」
「それで呼ばれたのか」
「いや、呼ばれたのは偶然だよ」
「へえ・・・実はな・・・」と、塩谷は部屋に誰も居ないのを確かめる。亮は怪訝に思って、
「なんだ?」と聞く。
「いいか、これは、絶対誰にも言うな。言ったら、殺される」
「誰に?」
「民自党に」
「・・・?」
もったいぶってから塩谷は、
「俺だけがこの情報を掴んだ。あのな・・・」
「なんだよ」
「尊王革新党のメンバーに、民自党の党員が居る」
「・・・それで?」
「それでじゃない! 分らんか?」
「なにが?」
塩谷は、物凄い形相で、説明した。
「どういう事か、分らんか? つまり、テロを裏で操っているのは、他ならない、民自党だという事だ」
亮は、しばらく考えた。
「・・・さっぱり分らん」
「鈍いな。民自党は、革新党を操って、テロを起こさせて、自衛隊を動かすつもりなんだ」
「動かして、どうするんだ?」
「軍事国家だよ、軍事国家」 「民自党が?」
「ああ。初めから、仕掛けられている、シナリオなんだ。すべて、民自党の自作自演だ。いいか、この事は誰にも言うな。しゃべったら、民自党に必ず殺される」
「つまり、こういう事か。党員を革新党に送り込んで、民自党を倒すためと称して、テロを起こさせて、自衛隊を動かして、戒厳令を敷いて、革新党を倒して、そのまま、軍国主義に、持っていくと、いう事か?」
「そうだ。初めから、仕掛けているんだ」
「考え過ぎだろう? 第一、軍国主義にして、どうするんだ?」
「侵略戦争だよ。アジアを支配して、巨大帝国を築くつもりだ」
亮は、苦笑した。
「馬鹿な。自衛隊が、中国に勝てるものか」
「核兵器で先制攻撃するんだ」
「え? 自衛隊が、核兵器を?」
「ああ。確かな情報だ」
「まてよ・・・どうやって、そこまで調べたんだ?」
「こっちは、命賭けてんだよ」
亮は、塩谷の顔を、まじまじと見つめた。
「塩谷・・・おまえ、知り過ぎている」
「ああ、分ってる。だから、おまえに話しているんだ」
「どうして? 俺はただの俳優だ。どうしろというんだ」
「俳優だからだ。日本を救えるのは、おまえしか居ない。俺には、分るんだ」
亮は、向き直って、塩谷に正対した。
「塩谷、悪いが、信じられない。あまりに突拍子すぎる。それらは、おまえの推測でしかないだろう?」
塩谷は、ため息をついた。
「ふう・・・分った。いま話した事は、忘れてくれ」
「ああ」
塩谷は、出ていった。しばらく、亮は呆然としていた。 特番が始まった。二ヶ月前の名古屋での爆弾テロ、先月の大阪の爆弾テロ、そして、今日の東京の爆弾テロが報道された。死者は全部で一三九人にも達するという。
やがて、亮の出番が回ってきた。カメラの前の席に座る。女性キャスターが、質問した。
「神谷さんは、偶然、今日のテロの現場に居合わせたそうですね」
「ええ。公園で女の子にサインして、その直後でした。その女の子は、爆発に巻き込まれて亡くなりました」
「そうですか。テロには、どのような気持ちを持っておいでですか?」
「憎むべき以外の何ものでもありません。女の子は、体がバラバラになって、母親は、泣き叫んでおられました。どんな思想で、どんな理屈で、このような行為をするのか、僕には理解できません。
ただ、その行為を憎みます。だって、被害者は、なにも関係ない人ばかりじゃないですか。殺し合いをするなら、当事者たち同士でやったらどうなんです!」
「お気持ちは分ります。如何ですか、松田さん」
解説者に意見を聞いた。
「それが、テロリズムなんです。自分の思想信念を実行するためには、無関係な人をも、犠牲にする行為なのです。許せません」
キャスターは、
「神谷さん、このままテロが激化すると、戒厳令が発動されて、自衛隊が治安に当たる事になるかも知れないとの専門家の意見ですが、如何ですか」
「嫌ですね。軍隊が治安に当たるというのは。だいたい、そんなものは、憲法違反でしょう」
「しかし、このままでは、テロを抑えきれないとすると、如何です。やむを得ないと思われますか?」
「自衛隊ではなく、アメリカ軍に頼んだらどうです? 戦争のプロでしょう?」
解説者は、笑った。
「いや、気持ちは分りますが、それでは、日本の事は、日本人で解決できないのかと、全世界で笑われますよ」
「じゃあ、松田さんは、賛成なんですか」
「うーん・・・革新党は、組織が大きいですからねえ。気持ちは反対ですけど、現実を考えると、やむを得ないでしょうねえ」
亮は、解説者の顔を見ながら、「これはシナリオだ」という、塩谷の言葉が頭に浮かんだ。
番組は、深夜まで続いた。 国会では民自党総裁・本田壮一内閣総理大臣が演説していた。
「これまでの三度に及ぶテロリズムの死傷者は、すでに三百人にも及んでおります。犯行声明を出している、尊王革新党の組織は巨大であり、もはや警察の治安力の限界を超えております。
私は、ここに、憲法を改正し、自衛隊を治安部隊として法制化できるよう、国民に信を問うものであります。
今国会において、衆議院を解散し、国民の審判を仰ぎ、過半数を獲得し得るのであるならば、それは国民の同意を得られたものであると判断し、直ちに憲法を改正して、自国の軍隊を保有する権利を有し、
その正規軍によって、反乱分子を壊滅させ、速やかに、治安の回復に努めるものとします。ここに私は、衆議院の解散を、提案いたします」
そして、採決が行なわれた。民自党と野党の一部の賛成によって、解散は可決された。
全国に、号外が配られ、テレビの臨時ニュースで、「衆議院解散・総選挙」の報道が成された。
亮も、仕事先で、新聞を読んでいた。いみじくも、今日は、ドラマの撮影で、自衛隊基地に来ていた。どうしても、あの、塩谷の言葉が、あれ以来、頭から離れなかった。そのときだった。
「神谷さん! 神谷亮さん!」
スタッフの向こうから、大声で手を振っている、若い自衛隊員が居た。 >>457の様に証拠を残して終わるものではないだろがー!
な〜!!
>>457よ!!!
上記も当方への虚偽告訴罪と名誉毀損等で告訴する件に、追加することで、さらに、>>457の正体が明らかに成るだけだ!
それに!
当方の掲示板等でなくても!!
「ここでの答弁が出来ない事実を晒している」事実の重要性も、認識出来ないのであろなー!!!
上記も説明しなければ解らないのであろうな〜。
本当に何も判っていないのであろうなー!!!
ここの管理人さんを訴えている事実も忘れているはずがないがなー!
これだから!!!
裁判・正式な係争など!
勝てるはずがないやーな〜!!!
>>457よー! 「サインしてくださーい!」
物凄い大声で叫ぶ。スタッフが止めていたが、亮は気になって、傍のスタッフに、「誰だ?」と聞くと、
「ああ、あれは、オリンピックの射撃で金メダルを取った、川崎という自衛官ですよ。まだ二十歳です」
亮はまた見てから、
「呼んでやれよ」
そういうと、その川崎は、スタッフに案内されて、亮のところまで来た。
「神谷さん! 光栄です! お会いできて!」
物凄く嬉しそうに話す。亮も立って、
「いえいえ、こちらこそ。金メダルを取ったそうで」
「ええ」と、川崎は、胸からメダルを取り出した。
「これです。神谷さんに、見せたくて。ぜひ、ここにサインしてください!」
「え? メダルに?」
「はい! ぜひ、ここに!」
と、ポケットからマジックを取り出した。亮は、
「本当に、いいの?」
「はい、ぜひ、ここに!」
あまりに真剣なので、書かないと返って失礼だし、まあ、マジックならシンナーで消せるから、と思って、メダルにサインした。
「ありがとう! やったぜ!」
大喜びしている。
「川崎さんは、射撃の名手なんだね」
「はい、世界一ですよ」
「へーえ、どのくらいの距離なら、狙えるの?」
「一二〇〇メートルです」
「せん・・・! そりゃすごい!」
「ははは・・・訓練ですよ。朝も射撃、昼も射撃、夜も射撃」
「夜? 夜でも狙えるの?」
「当然ですよ。戦争は、夜が多いんです」
「ふーむ。これは、脱帽です」と、お辞儀した。
「僕、神谷さんの大ファンなんですよ。もし女だったら、プロポーズしてたな!」
「あはは・・・こりゃいい。あはははは・・・」
「へへへ・・・」
二人で大笑いしていた。 ある夜だった。亮が女性と食事をしていて、レストランを二人で出たとき、男が呼び止めた。
「おい、新谷だな」
亮は、女性の肩に手をやったまま、
「誰だ、おまえは?」
睨みつける。男は、女性に視線を変えた。すると女性は、亮から離れて、俯いて横を向いた。亮は不信に思い、
「正子と関係があるのか?」男に聞く。男は、激怒して、
「正子! どういう事だ? 俺はおまえの夫だろう!」
亮は、驚いた。
「なんだ、結婚していたのか?」女性を見る。
男は、ワナワナ震えていた。
「こんな奴のどこがいい! 俺が浮気したことの当て付けか!」
正子という女性は、怒鳴り返した。
「あんたとは、もう終ったのよ! 誰と付き合おうが、私の勝手でしょう!」
「きさまあ!」
すると男は、ポケットから果物ナイフを取り出した。亮は驚く。女性は、顔色が変わった。
「なによ! それは! 人を殺したら、どうなるか分っているの!」
「やかましい! おのれ!」
男は、女性に飛びかかった。
「まて!」
と、亮は男に飛び付いた。
「邪魔するな! きさま、何様だ!」
二人は、組み合って道に転がった。見物人が集まってくる。亮が必死に宥める。
「俺が悪いなら、謝る。ナイフを離せ!」
転がって揉み合う。
「死ね!!」
ドス、と、鈍い音がすると、男は、放心して、亮から離れた。しゃがみ込んで唸っている亮の胸に、ナイフが食い込んでいた。
「武!」と、女性が駆け寄った。男は放心して、立ったまま眺めている。
「うう・・・」
ゲボッと、亮は口から血を吐いた。
「武!」
女性が叫ぶが、亮はドタッと、倒れこんでしまった。そして、そのまま、息を引き取った。
「タケシィーッ!」
遂に、亮が死んだ。
「カァーット!」
監督が、叫んだ。 撮影を終えて家に帰り、テレビを付けると、また臨時ニュースをやっていた。
「・・・今日午前十時、仙台で爆弾テロがありました。死者は十八人、負傷者は四十人に上っています。
尊王革新党から犯行声明が出されており、もし総選挙で民自党が勝つなら、国民は制裁を受けるだろう、と警告しています・・・」
座ってコーヒーを飲み、煙草に火を点けると、携帯電話が鳴った。
「もしもし」
「神谷、俺だ。塩谷だ」
「ああ。いま、テレビを見てる」
「これで分っただろう。国民は必ず、自衛隊出動を支持する。全部シナリオなんだよ」
「でも塩谷、もしそうだとして、一体、俺に何をしろと言うんだ」
「おまえは俳優だ。人気もある。必要な人材を動かして、民自党と戦え」
「戦う、といっても、どうやって? 俺は軍人じゃないぞ」
「頭を使え。情報は俺が仕入れる。おまえは、作戦を立てて、実行するんだ」
「じゃあ、孫子の兵法でも読んで勉強するよ」
「時間が無い。軍事国家が出来る前に、阻止するんだ」
「分った。考えるよ」
「ああ」
電話が切れた。フーと、煙草を吹かす。
「・・・」
といって、俳優の亮に、「作戦」など、思い付かなかった。 翌日、亮は朝から、東京駅前に来ていた。宣伝カーの上で、本田壮一首相が、演説していた。
「みなさん。昨日のテロを聞きましたか? 警察は一生懸命やっています。しかし、尊王革新党は、強力な軍事力を持ち、我が国民に挑んできています。
彼らは、この国を支配しようと企んでいます。我々は負けられないのです! 彼らを倒すには、どうしても、自衛隊の軍事力が必要なのです。
我が民自党を勝たせて下さい! そうすれば、あなたがたの、安全と平和が、約束されるのです!」
熱弁を振るっていた。亮はサングラス姿で、隣の男性に、
「筋が通ってますな」
と、聞いてみた。男性は、
「うむ。今は、民自党しか、この難局を乗り切れる政党は無い」
言い切った。
「そうですね」
言いながら、そこを離れた。そのとき、携帯が鳴った。
「はい」
「神谷くんか」
「そうです」
「僕は暁テレビのプロデューサーの佐藤だ」
「はい。なんです?」
「・・・塩谷が死んだ」
「え?」
「記者の塩谷だ。君と仲のいい」
「・・・まさか!」
「本当だ。局に来てくれ」
「分りました。すぐ行きます」
背筋が寒くなってきた。
(まさか・・・)
亮は、タクシーを拾って、テレビ局へ飛んだ。 テレビ局に行くと、その佐藤が待っていた。
「来てくれ。塩谷の病院に案内する」
駐車場に二人で歩きながら、亮が聞いた。
「どうして死んだのです」
「交通事故だ。昨日深夜、家の前で車に轢かれた」
「相手はどうしました?」
「逃げた。轢き逃げだ。今、警察が追っている」
車に乗り、病院へ向かう。塩谷の自宅の近くの総合病院だった。病室に入る。塩谷の妻や子供や親戚が集まっていた。亮たちは一礼して、白い布を顔に被せられた塩谷の遺体の傍に寄った。
亮が布を取って、顔を見る。眠っているようだった。布を戻す。そして、塩谷の妻に、
「事故ですか?」
と、聞いた。妻は泣きながら、
「私の目の前で・・・突然、スポーツカーが走ってきて・・・」
亮は、
(奴らだ・・・)
これで、すべての事実が、亮には、分った。塩谷の遺体を見ながら、拳を握り締めて、涙を流した。
「塩谷・・・」
心の中で、「復讐」を誓った。 総選挙は二週間後の、四月十四日、日曜日だった。今日は三日である。
亮は塩谷に遺体と対面して、そのあとすぐに、北海道に飛んだ。そして、あの自衛隊員・川崎隆治に面会に行った。
川崎は、非常に喜んだ。
「どうしたんですか! わざわざ来てくれるなんて!」
大はしゃぎだった。亮は、大樹の下に二人で座った。
「川崎くん」
「はい・・・まさか告白じゃないでしょうね。でも、いいですよ!」
亮は可笑しかった。「ははは」と笑い、
「実は、頼みがある」
「はい。いいですよ」
「まだ言ってない・・・頼みとは、夜に相当な距離から、正確に射撃できるように、準備しておいて欲しいんだ」
サッと、川崎の顔色が変わった。何かを悟ったらしい。
「ええ・・・距離は、一〇〇〇メートルまでです。夜間なら。で・・・誰を、撃つんです?」
亮は、凄い形相で睨んだ。
「これは犯罪になる。しかも、死刑だ」
川崎は、ニコ、と、笑った。
「いいですよ。そんなに凄いターゲットなら、光栄です」
「もちろん本当の話だが、実は、まだターゲットは、決めてない。でも、必ず、夜、遠い距離の射撃になる。しかも、チャンスは、一発だけ・・・」
「分りました。その一発に、命を賭けましょう。ターゲットが決まったら、携帯にメールをください」
「すまない・・・できれば、そんな事をしなくて済むように、願っている」
「僕は、神谷さんの役に立てて死ねるなら、いいですよ。遠慮なく」
「ああ」
手を握った。川崎は、若い頬を赤らめていた。 やがて次第に総選挙の日が近づいてきた。国民は、異様な熱気に覆われ、「民自党」の大合唱が起こり始めていた。
もはや、選挙で民自党が大勝するのは、誰の目にも明白だった。野党は、
「これは民自党が日本を軍国化しようとする策略だ」
と叫ぶが、誰も、耳を傾けない。民自党も、
「では野党よ、自衛隊出動以外に方法があるなら、言ってみろ」
と反撃し、これに対して、野党は、反論ができなかった。それが、ますます、世論の民自党支持に火を点けている、という有様だった。
そして、運命の四月十四日が来た。全国の会社が自発的にその日を休日にして、選挙を盛り上げた。投票率は、九十三パーセントという、驚異的な数字を記録した。
そして、即日開票が始まり、テレビ各局が開票速報を放送する。民自党の得票率は、桁が外れていた。
「八十六パーセント」
それが、民自党の得票率だった。五〇〇議席のうち、四一六席をも、獲得してしまった。マスコミは、
「余りにも支持が高すぎて危険である」
と、警告したが、国民は、お祭り騒ぎだった。そして、民自党総裁・内閣総理大臣、本田壮一は、国会で堂々と演説した。
「国民の皆様に心より御礼申し上げます。我が民自党の政策に対する、明白な世論の答えが、出ました。その答えとは、即ち、自衛隊出動を可能にする、憲法改正であります。
これにより、我が国を侵略しようとする軍事組織を、壊滅させることが、可能になります。我が民自党は、体を張って、国民の安全と幸福を守り抜く事を、誓います!」
国会は、大拍手だった。殆どが、民自党である。それは、見方によっては、一種異様であった。 そして、民自党は、速やかに、「憲法改正」を、進めた。その間にも、尊王革新党による爆弾テロは、激しさを増した。
「警告通り、我が革新党は、独裁政権打倒のため、あらゆる手段を尽くす」
革新党は、「宣戦布告」で対決する。民自党は、憲法改正を急いだ。
そして、「日本国憲法第七条」は、書き換えられた。
我ガ国ノ治安ヲ守ルタメノ軍事力ノ保有ヲ認メル
たった、その一行が、すべてを変えた。政府は、直ちに自衛隊(セルフ・ディフェンス・フォース)を、「防衛軍(ディフェンス・フォース)」と改称して、治安出動を命じた。
「内戦」である。
尊王革新党は、徹底的に抗戦した。恐るべき軍事力であった。
「防衛軍」は、太平洋戦争以来の戦争に、甚大な犠牲者を出しながら、激しく攻撃した。戦闘機も、軍艦も動員された。日本は、凄まじい内戦を繰り広げた。
六月に入った。「内戦」は更に激化して、目処が立たなくなってきた。
革新党は、防衛軍の武器庫を爆破し、旅客機をハイジャックして軍艦に「特攻」して撃沈し、爆弾を載せたトラックで司令部に突入して、自爆した。
国民は、「革新党は、いったい何人いるんだ?」と、恐怖に慄いた。日本中が、戦場と化した。本田総理は、国民に「忍耐」を促した。 < _-=≡:: ;; ヾ\ > 信心しても、もう会えないニダ!
< / 元法華講 ヾ:::\ >
< | 行方不明 |::::::| ←仏罰&P献金 >
< ミ|-=≡、 ミ≡==- 、 |;;;;;/ > ノーベル平和賞、買いたいニダ!
< || <・>| ̄| <・> |── /\ >
< |ヽ_/ \_/ > / >
< / /( )\ |_/ > 夜間短大ギリギリ卒業ニダ!
< | | ` ´ ) | >
< | \/ヽ/\_/ / | >
< \ \ ̄ ̄ /ヽ / / > 顕正とはマッチポンプ・・ニダ
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//  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ \\ \ \ ___
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.| (@) ⌒)\ マハーロ、バカヤロー、キンマンコ、センセイのミイラができますように
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東京電機大学中学校 近親相姦 万引き ←コピペしてね >>466
「戦況は正規軍の優位に成りつつある。今しばらく、忍耐していただきたい。必ず、革新党を壊滅してみせる」
そう叫ぶと、本田内閣への「支持率」は、ますます、上昇して、九五パーセントを超えた。「革新党以外の国民がすべて支持している」というような状況だった。
「内戦」による兵士や民間人の死者は、一万人を超えた。凄まじい戦いになった。人々は、マスコミの情報に注視した。この内戦で唯一、利益を得たのは、マスコミだったかも知れない。
テレビのニュース番組の視聴率は、七〇パーセントを超えた。もはや、下手なドラマよりも、現実のニュースの方が、遥かにドラマティックだった。そして内戦は、七月に入っても、なお、激しさを増した。中には、
「戦争を体験したい」
という理由だけで、安易に革新党に入る若者も現われて、戦況は、泥沼化した。若者は、正規軍に入るより、なぜか、反乱軍の方に、魅力を感じた。
そうこうしていると、正規軍から、兵器ごと、反乱軍に寝返る兵隊も現われた。もう戦況は、ひとこと、「むちゃくちゃ」であった。
そんな中、あの、スナイパーの川崎は、
「夜間の遠方射撃の腕を磨いておいてくれ」
と言った、亮の言葉を実行していた。そして、「反乱軍のリーダーたちを狙撃する」という、作戦に出た。これなら、「夜間遠方射撃」の練習になった。
川崎は、どんどん、腕を磨いていった。そして、この川崎という一人の狙撃兵の存在が、戦況を少しずつ変え始めた。反乱軍は、
「リーダーになると、川崎に殺される」
と、怯え始めたのである。しかし、
「それならリーダーを作らなければいい」
という、訳の分らない理屈になって、「尊王革新党」は、もはや、「組織」というよりも、「暴動」という姿に変化した。
日本の治安は、ますます乱れた。革新党は、民間人の暗殺・強盗・強姦などの狼藉を働き始めたのである。そして、革新党ではない民間人が、面白がって、そういった狼藉に加わるようになった。 遂に、人気俳優の神谷亮にも、この混乱が忍び寄ってきた。「召集令状」が、舞い込んできたのである。
さあ、どうするか。拒否すれば、刑務所に入らなければならない。かといって、反乱軍に就く訳にもいかない。しかし、兵役など、余りにも、馬鹿馬鹿しかった。
まず、芸能人たちに呼び掛けて、「署名」を集めた。そして、国防大臣に面会して、
「芸能は国民の幸福の拠り所であり、兵士として戦死するならば、大きな文化的損失であるから、有名芸能人は、兵役を免除していただきたい」
と、申し入れた。そして、芸能人たちは計略を練って、「アダルトアイドル」を、数人、本田首相に送り込んだ。
もし誠実な人間なら、「不謹慎」と激怒するだろうし、しかし、不誠実な人間なら、歓喜して「免除」をしてくるだろう。これは賭けになった。さあ、どう出てくるか。
数日後、「文書」が届いた。亮が開くと、
「指名された芸能人は、兵役を免除する」
という内容だった。そして、亮は、自分の名前を探した。すると、
「・・・神谷亮・・・」
と、確かに、明記してあった。こうして亮は、「徴兵」を免れた。
国家全体が大混乱に陥り、誰が正規軍で、誰が反乱軍で、誰がただの犯罪者なのか、訳が分らなくなってきた。
「徴兵制」を出した事で、驚異的な内閣支持率は急落したが、それでも、まだ、八〇パーセントはあった。
皮肉にも、反乱軍でさえ、本田を支持するようになったのである。もう、何もかもが、無茶苦茶だった。 八月、本田首相は、アメリカに外遊に行った。そこで、アルテリオ大統領と会談した。大統領は、「日本のメンツ」を、知っていた。その上で、こんな提案を出したのである。
「日本の基地で、アメリカ軍の演習を行なってはどうか」
これには、本田が飛び付いた。名目は「演習」だが、実は、「反乱軍攻撃」なのである。
本田が帰国すると、直ちに「日米軍合同演習」が、始められた。遂に、世界最強軍隊が、介入してきたのである。
これには、さすがの尊王革新党も、勝てなかった。そして、ただ狼藉を楽しみたいだけの者たちは、アメリカ軍に恐怖して、革新党を離脱した。
離脱したら、「徴兵」が待っていて、正規軍に吸収され、こうして、反乱軍が弱体化を始めて、正規軍が膨張し始めたのである。
戦況は、目処が立ちつつあった。九月になると、日本軍とアメリカ軍が体制を強化して、まともな作戦で攻めるようになって、反乱軍は、分解し始めた。
そして、ジワジワと戦況は収束に向かい、十月になると、「残党狩り」の態勢に入って、遂に、
「革新党暴乱」
は、根絶されたのである。実際にはアメリカの手を借りた訳だが、野党が「外国の手は借りないと答弁したのは、嘘か」と、追及すると、本田は、平然と言ってのけた。
「アメリカ軍が革新党に襲撃を受けたので、防衛軍が助けたのだ」
こうして、十二月には、無事な年末を迎え、正月も無事に迎える事ができたのである。
本田内閣の支持率は、また上がった。
「革新党暴乱」による、日本人の死者は、七万六千人に達した。 議席を大きく落としている野党の中で、最大の政党は、共和党だった。その代表者は、三雲賢次郎であった。三雲は、本田内閣に対して、
「暴乱は鎮圧された。もはや徴兵制の意義は無い。直ちに停止せよ」
と、反発した。しかし本田は、
「今後もいつなんどき、同じような暴乱が起こるとも限らない。また、抑制のためにも、徴兵制は必要である」
と、撤回しなかった。これには、国民も少々、困惑した。三雲は、
「これでは、まったくの軍事国家である」
と、懸念を表明した。そして、アジア諸国の外遊に回り始め、「日本は徴兵制を解くべき」という同意を、各国から取り付けた。
この三雲の行動は、少なからず国民から支持を受けた。それでも本田は、「徴兵制は必要である」と、頑強に固辞した。野党は、
「民自党は、軍国制を意図している」と、激しく反発した。
亮は、この三雲賢次郎に、会いに行った。共和党の本部で、会見する。
三雲は、気さくな男だった。ニコニコしながら、会談に臨んだ。
「神谷さんか。徴兵制免除のいきさつ、聞いておりますぞ。なかなか見事でござった。どうです、政治家になりませんか?」
亮は手で遮って、否定した。
「ははは・・・ぜんぜん興味ないですね。僕は俳優で十分です。政治はドロドロしていて、性に合わない」
「ドロドロしているのは、民自党ですよ。いったい、何を考えているのか。徴兵制を解かない事を、どう思います?」
「不自然ですよね。もう革新党のような、反乱分子は、無いでしょう。なら、また現われたときに徴兵すればいいのであって、今は必要ありません」
「そうですよね。まったく、本田は何を考えているのか・・」
と言ったときだった。どこかで騒いでいるのが聞こえて、「なんだ?」と、驚いていると、間もなく、兵隊が数人、ライフルを持って入り込んできて、二人を囲んだ。
ライフルの銃口は、三雲に向けられて、兵士たちは構えていた。そして、将校が一人、入ってきた。 「三雲賢次郎だな」
三雲は座ったまま相手を睨み、
「何者だ」聞き返した。
「国家反逆罪で、逮捕する」
と、「逮捕状」を、見せた。
「貴様ら、何をやっているのか、分っているのか?」
「拘束しろ」
将校が部下に合図すると、兵士たちは三雲を抱え込み、手錠を掛けて、部屋を出て行った。亮は、見ているしかなかった。下手に反抗すると、自分が「公務執行妨害」で現行犯逮捕される。将校は、少し亮を睨んでから、出て行った。
「始まった・・・」
亮は、愕然とした。
「三雲共和党代表逮捕」の報道は、全国を駆け巡った。本田首相は、記者に答えていた。
「三雲が私を暗殺しようと図っていた証拠を掴んだ。今、実行役の犯人を指名手配して追っている。間もなく捕まるだろう」
記者が、「証拠とは、何ですか」と聞くと、本田は、
「数日内に、公表する」
と、断言した。
数日後、公表された「証拠」とは、電話の録音テープだった。三雲らしい人物の声で、誰かに、
「本田を暗殺してくれ」
と、言っている内容だった。
しかしマスコミは、その「声紋」を徹底的に調べて、「これは本人ではない」と、公表した。すると今度は、議会で、
「公正報道監視法」
という、新しい法律が成立した。それは、
「意図的に誤った報道をして、国民を混乱させる行為は、国家に対する重大な過失である」
という内容であった。そして、「テープの声は三雲ではない」と報道した、テレビ局のディレクターが、数人、一気に逮捕された。 「無茶苦茶だ」
亮は、これを聞いて、非常に嘆いた。政府は、マスコミの操作に入り始めたのである。
やがて、「世論調査」が、行なわれた。すると結果は、本田内閣の支持率は急落し、三〇パーセントにまで、落ち込んだ。ところが、
「偽の報道で、国家を混乱させようとしている」
として、報道関係者が、一斉に、一網打尽に、逮捕された。政府は「政府が独自に調査した」として、「本当の支持率」を公表した。その結果は、
「八九パーセント」
という、とんでもない数字だった。
更に民自党は、
「デモ禁止法」
という、新しい法律を制定した。これによって、政府に不満を述べて、デモを行なう民衆を、すべて、逮捕した。
政府や民自党や首相を非難する政治家は、即日、逮捕された。
政府を批判するような報道や番組も、禁止された。
日本は、「独裁軍事国家」へ、突き進んだ。
政府による弾圧は酷かったものの、娯楽を禁じたりはしなかったので、国民は、
「政府を批判せず、徴兵に従えば、それ以外は自由だ」
と、冷静に割り切った。だから、「芸能人」の存在は、国民の心の拠り所になってきた。亮たちも、俄かに、存在感が増してきたのである。仕事も増えてきて、寝ている暇も無くなってきた。