「 「弱い日本」を望む米国の反日言説 」
http://yoshiko-sakurai.jp/2014/12/18/5660
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 日本への強い猜疑心と警戒心から生まれた同計画だったが、実はその発端は日本人への人種差別
だったと、エドワード・ミラーの『オレンジ計画─アメリカの対日侵攻50年戦略』(新潮社)に明記されている。
 明治24(1891)年から明治39年の間にカリフォルニアに渡った数千人の日本人移民は、白人社会の
人種差別を受けた。差別を煽ったのはメディアだったが、とりわけ「ニューヨーク・タイムズ」(NYT)は
その先頭に立った。
 たとえば1906年12月16日の紙面には、次のような記述が見える。
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・アジア人は劣等人種にとどまらなければならず、それが気に入らないのであれば米国に来てはならない
(『アメリカの戦争』田久保忠衛、恒文社21)

 このような偏見と差別思想の報道に世論は刺激され、事態は緊迫した。それがオレンジ計画策定へと
米海軍大学の背中を押したと、当の海軍大学資料に書かれている。
 それから35年後の日米開戦の原因をNYTの報道に求めるつもりはないが、同紙の報道が日米関係悪化
のひとつの要因となったのは確かだろう。さて、その同じ新聞が、今も不条理な対日非難を展開しているのだ。
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 それでも、当時のアメリカの空気は必要以上に日本に厳しかった。戦略家、ジョージ・ケナンも「(米国の)
外交活動の大半は、他の諸国ことに日本が、我々の好まない特定の行動を追求するのを阻止しようという
狙いをもっていた」と書いたほどだ。
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慰安婦、天皇、靖国参拝や憲法改正への非難はすべて同根なのだ。日本を、自主独立の気概なき弱い国の
ままにするメカニズムとして現行憲法を作った人々の考え方は、現在も政界、学界、言論界、経済界に至る
まで広範囲に存在する。彼らの対日姿勢はまた、過度と思えるほどの親中的姿勢と背中合わせである。