桂・ハリマン協定にまつわる誤謬
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■桂・ハリマン協定を日本側が断ったから日米戦争になったんだ、という素っ頓狂な説

 その決定的な理由は、ハリマンからの融資の条件よりも、もっと有利な条件で外資が導入できそうだった
という点に尽きる。実は小村は、満洲鉄道経営のためにニューヨークのモルガン系銀行から約三〇〇〇万から
四〇〇〇万円の資本金を社債発行によって調達する計画を持っていた。これはポーツマス講和条約の日本側の
代表のひとり、金子堅太郎とモントゴメリー・ルーズベルト(ルーズベルト大統領の従兄)との密談(九月初旬頃)
に端を発するもので、その背景には、数年来続いていたモルガンとハリマン―クーン・レーブ連合との対立抗争が
存在していた。