両陛下、生還兵2人に「本当にごくろうさまでした…」 4月にパラオ慰霊のご訪問 (産経新聞 3/22)

天皇、皇后両陛下は22日、先の大戦の戦没者慰霊のため4月のパラオ共和国ご訪問を前に、日本軍約1万人が死亡した同国ペリリュー島から
生還した元日本兵2人を皇居・御所に招き、激しい戦いの状況などについて話を聞かれた。
天皇陛下は前日からの風邪で熱があるため大事を取って途中退出したが、2人に「本当に長いことごくろうさまでした」とねぎらわれたという。

招かれたのは元陸軍軍曹の永井敬司さん(93)と元海軍上等水兵の土田喜代一さん(95)。
「徹底抗戦」の命令を受けていた2人は守備隊が昭和19年11月に玉砕し20年8月に終戦した後も、洞窟などに潜伏。
武装解除に応じたのは22年4月だった。

ご懇談は約45分間に及び、永井さんは海岸での米上陸部隊との攻防を「本当の白兵戦でした」などと説明。
「私どもは軍人ですから戦うことは当然のことです」と述べたという。 土田さんは、戦友が眠る地へのご訪問に対する感謝を伝えたという。

皇后さまは戦いの様子だけでなく、帰国後の生活や仕事についても詳しく質問し、「お体を大事に」とねぎらわれたという。

ご懇談後の取材に、永井さんは「英霊は静かにお休みになれると思う」と話し、両陛下ご訪問に合わせて島に行く予定の土田さんは
「島では宮城=皇居=の方向を向いて飯を食べることもあった。これ以上の光栄はない」と語った。
http://www.sankei.com/life/news/150322/lif1503220046-n1.html

地獄のペリリュー島戦を生き延び、それから戦後2年近くも米軍占領下の狭い島で潜伏生活を続け、更に戦後70年を経て
陛下への拝謁まで実現したのだから、この二人は島で果てた1万人の英霊らの思いを背負ったも同然でしょう。