三菱重工、ユーロサトリで新型装輪装甲車を発表
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パリ郊外で16日から開催されている世界最大の陸戦兵器・セキュリティ関連の見本市、ユーロサトリで、三菱重工が8輪装甲車「MAV」(Mitsubishi Armored Vehicle)を発表した。

MAVは同社が陸上自衛隊向けに開発した機動戦闘車の技術を流用し、自社資金で開発を進めているもので、既に試作車輛が開発され社内試験が行われている。

MAVのAPC(装甲兵員輸送)型のサイズは全長8m、全幅2.98m(側面のスラット装甲と反応装甲は含まず)、
全高2.2m、空虚重量は18t、戦闘重量は最大28tとなっている。
オプションで、側面の後方にかなり厚めの反応装甲、スラット装甲の装着が可能。

地雷・IED対策として、車内にはフローティング・シートが採用され、車体底部にもV字型の増加装甲が装着できる。
乗員は車長、操縦手含めて合計11名となっており、車内容積はかなり広い。

エンジンは自社製の4サイクル4気筒、536.4馬力のディーゼルエンジンで、
サスペンションには独立懸架のダブル・ウィッシュボーン油圧式、前輪駆動方式を採用している。路上最大速度は100km/hと発表されている。

MAVは派生型も検討されており、APC型よりもキャビン部のルーフを高くした装甲野戦救急車、指揮通信車などが提案されている。
また三菱重工では機動戦闘車、あるいはMAVの派生型として30ミリ機関砲を搭載した歩兵戦闘車型、120mm自走迫撃砲型についても、開発を検討していることが、取材の結果明らかとなった。

同社の展示ブースでは、戦車用のパワーパック、その構成コンポーネントである液冷4サイクル・ディーゼルエンジン、
変速比を最適に制御できる油圧機械式無段階自動変速操向機(HMT:Hydro-Mechanical Transmission)のMT1200、
戦車用の120mm砲弾の自動装填装置などがパネル展示されている。