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韓国はオーストラリアの未来型軌道装甲車獲得事業「ランド400 フェーズ3」に参加。
同事業はオーストラリア陸軍の保有するM113装甲兵員輸送車の後継モデルの導入を目的に行われ、
最終候補として韓国・ハンファディフェンスの「AS21レッドバック」とドイツ・ラインメタルの
「KF21リンクス」の2台が残り、1年間の評価試験を終えて、オーストラリア陸軍の選定待ちだ。

AS21レッドバックはK21歩兵戦闘車が水上浮航能力をPRしたものの同能力を求める国は皆無であり、
重量とコスト増から国際競争力を持たなかったことを反省に開発された新型歩兵戦闘車だ。
開発はイスラエルのエルビット社を始め欧米やオーストラリア企業が参加する多国間コンソーシアム
で行われ、武装や装甲防御についてイラクやアフガニスタン戦争の戦訓を取り入れている。

砲塔はMK44ブッシュマスターUを主武装とするT2000砲塔を搭載(副武装はMAG58 7.62mm機関銃)
対戦車火器としてスパイクLR2対戦車ミサイル2門(最大射程10q)と76mmマルチバレル発煙弾発射機
にリモート・ウェポン・ ステーションとしてラファエルOWSを搭載。米国製のFGM-148ジャベリン1門
(最大射程2.5q)とEOSのR150 RWSとの組み合わせも選択可能だ。

車体は増加装甲の装着によりSTNAGレベル6(30mmのAPFSDSの直撃に耐えられる)までの防御力を持つ。
また対戦車砲弾への脅威に対してアイアンフィストAPS(アクティブ防護システム)を備えている。
これらの装着に伴い車体重量は42トンに達しているが1000馬力のMTU8気筒ディーゼルエンジンにより時速
65q以上の走行が可能で520qの航続距離を確保している。

現地のThe Australian紙の分析ではレッドバックは特殊なゴム製履帯(Soucy製でCV9030で採用実績あり)を
採用して搭載機器の振動による故障リスクを減らし、乗員の疲労や燃費改善につながっている点を評価。
また30mm機関砲は米国製のMK44ブッシュマスターUで米軍と共同で戦うことを想定すると米軍の膨大な弾薬
在庫にアクセスできるため、「ややレッドバック優位」ではないかと説明している。