さらに機体が頑丈に作られたことも特筆に値する。頑丈といっても零戦等の従来機に比してのことであり、
米機の頑丈さとは比較にならないのだが、それでもなるべく搭乗員を守ろうということではあり、
それまでの日本軍機の設計思想とは大きく異なる。
搭乗員の命より空中での俊敏性を優先してきた零戦とは大きな違いである。

 これについては、元三四三空の戦闘員であり、
 日本海軍の各戦闘機を知り尽くした本田稔少尉が面白いことを言っておられる。
 『零戦は戦う飛行機ではない。あれはショー用だ。紫電改が日本で初めての戦うための飛行機だ。
 戦さに出るには鎧兜で身を固めるのが当たり前。浴衣で行く者はいない。飛行機だ
って防弾仕様になって初めて戦えるのだ』
 ※ 日本文化チャンネル桜「戦士の証言」より引用