実際、漫画の方の内容は後半は難解だからね…なんか読み手のイデオロギーを選ぶというか。

庵野は先達の巨匠達に比べ、原体験が「特撮」や「アニメ」などの映像作品しかなく、語る物が無いと嘆いて、
自分の鬱屈した内面を晒す事をEVAのテーマに据えた訳だけれど、あれも本当に真意が伝わるのは、
庵野と同じ性格タイプ、メンタリティの近い人だけらしいね。
本来、コアな内容の映像作品でも自分と違う性格気質の不特定多数の鑑賞者に共感できる様に気を遣うものだけれど、
そういう共感できない大多数には謎引っ張りと既存作品のオマージュで引き付けて行く戦略だったんだろうね。
で、多くの鑑賞者を惹き付けつつも共感が得られないから、独り善がりな凡作か駄作かというと、一部の共感できる人には、
恰も「自分の為に創ってくれた作品」と錯覚するくらいの深いテーマ性を帯びてる訳だから、何物にも代えがた最高傑作な訳だ。

ちょっと、例えが長くなっちゃったけど、漫画版ナウシカは、自己矛盾に陥ってるサヨの偏屈な所が分かり難くてスッキリしないね。
まあ、映画と違って漫画や書き物はもっと個的で濃い内容のモノであっても全然許されるもんだけれど…。