ユージン・ローガン『オスマン帝国の崩壊 中東における第一次世界大戦』白水社
すでに100年経過して体験者も絶えて忘れられた戦争になりつつある第一次大戦ではありますが
これはさらに日本じゃなじみの薄い中東戦線にオスマン帝国がどう参戦し、戦い、敗れたかという内容でした
兵士の日記なども少しではありますが引用しながら戦場の空気を伝えつつ、戦況の推移を中心にして進んでいくので、
分厚い割にオスマン帝国内部の政治話がだらだら続くようなことがなくて個人的な満足度は高かったです
ガリポリ、サイクス・ピコ協定、アラビアのロレンスなどの既に日本でも有名どころをおさえつつ、
ガリポリ以前にカフカスとバグダッドで負けていたので、英仏軍が舐めてかかっていたという指摘、
菱型戦車が中東戦線にも投入されていたことなど結構目新しい話もありましたので中東史に興味があれば買っても損は無いと思いますよ