平川新『戦国日本と大航海時代』(中公新書)
秀吉の朝鮮征伐は朝鮮・明・その先の天竺まで侵攻するという稀有壮大な戦略目標を結局達成できなかった。
だが副産物として、想定以上の軍事力・外征能力が日本にあることを知ったスペイン・ポルトガル両国が
日本侵攻計画を取りやめたり、マニラに戒厳令を敷くなどの恐慌を引き起こして日本が植民地になるのを防いだ、
という戦後に出た本としては珍しいぐらいに、朝鮮征伐に前向きな意味を与えている点で珍しい本だった。
もちろん侵略は侵略であると著者はフォローしてはいるけど、下手な大東亜戦争肯定本よりも衝撃的な解釈でしたね。