呉の7.1空襲で助かった人には二通りいて、一つ目はとにかく山の方へ逃げた人
ただ火災旋風に追われて焼死したり、熱さに耐えかねて火の手が回らない溝に逃げたらそこで一酸化炭素中毒になったりした人も少なくない
で、もう一つは壕の中の地獄を生き抜いた人
壕の中は酸欠なうえに一酸化炭素が充満していって、助かった人も大体が気を失っている
原作では防火用水を晴美ちゃんが飲むけど、あれは7.1空襲の方の実話で、緑色になった濁った水でも美味く感じるほど中は地獄だった
壕に入ったばかりに死んでしまった人は大体が酸欠か一酸化炭素中毒で、入口付近の人に少し焼死が見られる

逃げるのと逃げないのとどっちが最善なのかは、その時の運としかいいようがない
山の手空襲の表参道付近は、逃げた人は火災旋風で死んでる
大きい骨組みのしっかりしている防空壕に入った人は全員蒸し焼き
木の枠組みで造られただけの小さい防空壕に入った人と、山陽堂書店の地下に逃げ込んだ人だけが助かった
このケースでは周囲全てが火災になっていて、逃げ場所がなかった
呉の場合は山の方の焼夷弾は散発的で消し止められていたから、山に逃げればなんとか助かった