安倍首相の「岩盤規制をドリルで穴を開ける」という主張の裏側で、
いかに国家戦略特区が私物化の温床になっているか

最近は、安倍応援団だけでなく、“規制緩和”という枕が付いていればなんでもかんでも礼賛する
頭の弱いネオリベ派の学者連中までが、加計学園の認可に慎重だった前川氏や文科省のことを
「岩盤規制派」などとわめきたてている。

しかし、内部文書や前川氏らの証言だけではなく、どれだけ安倍首相が議長を務める
国家戦略特区諮問会議の決定が理不尽かつ不当なものだったのかを指し示す証拠は、
いくらでもあるのだ。

まず、国会でもすでに指摘されている通り、獣医師の数は「足りている」。
それは獣医学会が主張しているだけではなく、獣医師を所轄する農林水産省がそう述べている。

また、農水省は農業共済新聞(2016年6月3週号)の取材でも「全国的には産業動物臨床獣医師が
不足している状況にはない」と回答。

「新たなニーズ」に対応することは既存の大学でも十分に可能であり、さらに充実を図ることは
できるのに、なぜ、わざわざ「既存の大学・学部」を排除し、新規参入にこだわったのか。
まったく理不尽としか言いようがないのだ。

つまり、四国に獣医学部を新設すべき理由は、何一つもないのだ。