コケにされている

しかし、F35の組み立ては日本国内で行われているものの、部品の大半は米政府によってブラックボックス化され、
その部品の持つ意味も製造技術も日本側には開示されていない。

GAOが指摘した欠陥問題について問われた岩屋氏は「米政府に確認している」と答え、
米国に丸投げしていることを認めた。

驚くべきことに防衛省は、米国で半ば常識となったF35の欠陥問題について、
「米政府から聞かされていない」
(防衛省幹部)という。聞かされていなければ、調べればよいのだが、それもしていない。

F35を開発した当の米国でさえ、当面は見限り、F15EXという別の、しかも40年も前に開発された戦闘機を選定したのだ。

防衛省が米国から輸入する105機の費用は安く見積もって1兆2000億円とされる。
巨額のカネが米側に転がり込めば、トランプ氏の願う、対日貿易赤字の削減になる。そのカネはF35の機体改修の原資として使えるばかりでなく、価格を押し下げる要因にもなるだろう。

トランプ大統領は、米軍がF15EXを導入することを知りながら、F35を日本に売り込むトップセールスを続けたのである。日本は米国にコケにされただけではない。
便利な「打ち出の小槌」となめられているのだ。

こんな有り様で、日本政府は日米自由貿易協定がうまくいくと本当に思っているのだろうか。

日本がF35の追加購入を決めた後の今年2月、ドイツ政府はトーネード戦闘機の後継機にF35を選定しないことを決めた。
航空自衛隊が不採用としたユーロファイターとF/A18の2機種から選定する。日本政府はドイツ政府に教えを請うところからやり直すべきだろう。