>>37
変化に追いつけるか

ただ悲観的になるばかりではいけないと、横田社長はすでに動き始めています。
ことし5月に発表した中期経営計画には、「次世代電動車技術の構築」という目標を盛り込み、
電気自動車向けの部品開発を事業の中心に据えました。

「xEV事業戦略室」と名付けた組織も新設。
さらに新卒の採用方針も大きく見直しました。
10月はじめの内定式で目立ったのは電気工学専攻の学生。
機械系の学生を減らし、採用の6割を電子系に“シフト”したのです。

さらにEV化を進める中国市場に新たな足がかりを築こうとしています。
エンジン内に噴射するガソリンの量をコントロールする電子制御ユニットを応用して、電気をモーターに流す量をコントロールするユニットを開発。
中国で売り込みを始めています。売上のほとんどがホンダ向けというこの会社にとって、
迫るEVシフトを前に、どれだけ新規顧客を開拓できるかは会社の未来も左右します。

横田社長: 私たちのようなエンジン系の部品メーカーこそ、早めにかじを切らないと間に合わないと思います。
電気自動車になると部品の数が減ります。
それでも同等の売上げ、もしくは売上げを伸ばすということになると、もっと多くのお客さんに売っていかないと成り立ちません。
昔のように1社に供給していればよい、という時代じゃなくなってきた。
中にいる従業員には大変なことですけど、なんとか電子部品の技術を深め、事業の中心に据えたいと思っています。