で、ぐるーっと話戻って。

対日核攻撃のハードル上げるには経済力の裏打ちが必要な軍事費の、さらに対日戦備として支出される中から、蓋然性も低ければ本来は効果は抜群なため予算順位が明らかに低かった対日核戦力整備という前提にケリを入れてやれば良い、と。
2、3発撃ち込みゃ白旗揚げるだろ、いや脅せば譲歩だ、だったのがMDを突破できる数が必要になる。最大射程で届けば良かったのが、射程が短くなるロフテッド軌道をとるとなれば大型化して射程あたりの単価が跳ね上がる。
SM3は高度1000キロでも迎撃してくるぞとなれば、対日戦のために新しい投射システムが必要になる、いや突破には投射手段の組み合わせが、数が、となって、これをクリアできるかはひたすらに予算を投じられるかどうかにかかる。
それで核弾頭揃えればハッピーになるかというと、MD突破のために大量発射するほど、アメリカの拡大抑止が発動する確率が上がります。全力で殴ってアメリカ巻き込むか、何もできないかの両極端な二択で「調整」が一切できないわけです。

日本に162発撃たれても1億死ぬかどうかで、大義名分得た中国が同程度の報復核攻撃を行えば日本人滅亡が確定するが故に「核戦争を覚悟するほど戦争にならずに日本が譲歩せざるを得ない」核抑止と。
日本のMDの能力を中国自身が見積もって数発からの10倍増ではきかない核戦力を構築して、それでもなお「撃つぞ」と言っても「じゃあ撃ってみろよ」と返されたら、実戦にならないと結果がでないMDと。
どっちがお安いでしょうね。

中国の意図を拒否るためのコストという話であれば、日本の支出も重要ですが、いかに中国に余計に金出させるかということにも留意すべきかと。
MDがお高い、1000億は安くない。ごもっとも。でもMDの費用って、日本が1出す間にアメリカは8とか9ぐらい出してます。中国とのMD対MD突破技術の競争は、事実上中国対アメリカになるので。