英アームストロング・輸出用戦艦(1910冬)

常備排水量20,000t
全長169.8m 全幅25.2m
バブコック&ウィルコックス式混焼缶12基
パーソンズ式直結タービン高低速2基4軸、23,500馬力、21kt
石炭1620t、重油600t、4,200浬/10kt
乗員750名
13.5"/45 Mk.5(又はMk.6)連装4基、6"/50 BL Mk.13 単装12門、12pdr-20cwt QF HA Mk.2 単装2門
その他水雷艇撃退砲(移動式)等若干
装甲厚 舷側12"-4" 砲塔前楯11" バーベット10"-3" 甲板3"-2" 司令塔12"

オスマン・トルコ帝国及びブラジル向けに提示された戦艦。超弩級戦艦としては最小である。
見たところキング・ジョージ5世級、あるいはアイアン・デューク級を縮小したような特徴のない要目だが
本艦の眼目は小型化、かつ同時に2隻建造することによる最低限の量産効果を得られ、超弩級戦艦を安価に提供できることにあった。

なお、後述する複数隻同時建造を視野に、実質火力に対しての乗員定数、とりわけ砲台員と機関員数を絞り込みたいという意図があったとも言われる。
(本級の提示先であるブラジル及びオスマン帝国は、実際に艦船の受領と同時にイギリス側に乗組員の訓練も依頼している。)
そのためかは不明だが、主砲・副砲には採用されたばかりの新型砲を採用。門数減を1発あたりの威力で補う形となっている。
事実、本級の片舷投射重量はアルゼンチン海軍のリバダビアの4.8t弱に対して5t超であり、同級が12門斉射可能な範囲がかなり制限されていることや1発あたりの弾量も踏まえると大きく凌駕している。
その主砲は前後に背負式で各2基、いわゆるミシガン配置とし、広い射界を持たせている。
副砲は1段のケースメートで片舷につき前4門・後2門の配置とされている。
また中央砲塔を持たないため後部の第3砲塔バーベットにまで及ぶ極めて長い船首楼を持ち、小柄ながらも居住空間は余裕があった。

当初、ブラジルへの売り込みは2隻を同時に発注させ、既存戦艦と合わせ2個分隊4隻による艦隊運用を提案するものだったようだが
同国の要望により実現せず、1隻のみの受注となった。オスマン帝国にも同様の提案を行ったかは定かではないが、結果としてこちらも1隻の受注に留まった。