佐藤大輔≒筑紫哲哉か?

佐藤大輔さんの功績のひとつは、ユーモアの大切さを意識されていた
ことだと思います。この真面目な国では、深刻そうに語ることが求められて、
ちょっとした笑いや諧謔(がいぎゃく)も『不真面目だ』とか言って、許されない
ところがありますから。ユーモアを口にしたり受け止めたりするには、余裕が
ないとできません。

作品では、『なかなか面白い冗談を言うな』という感じでは必ずしもなかった
のですが、ユーモアがもつ可能性に注目していた、という意味で特別だった
と思います。

政治家なんかにしてもね、佐藤大輔さんならということで出演した方もいらっ
しゃるんじゃないでしょうか。鷹揚で優しいからなのか、どんなものでもまずは
肯定しようとするスタンスがあったようにも思います

佐藤大輔さんは『観察者』だったと思います。

へたに才能があると『演者』になろうとして、観察者にはなれない。自分が演じる
のではなく、演じている誰かを見たり、世の中に紹介したりするという意味で、
観察者のプロだったといえるのかもしれません。