>>459
M103重戦車を見るに、50年代の技術ならやってやれないことはない、って感じじゃない?

重要なのは重戦車を持とうという動機だよね。
高性能な戦車砲に転用できる高射砲があるとか、遠くまで弾を飛ばしても当てる目算が立つ照準器があるとか。
劣勢で質で凌駕しないと数に潰されるとか。そう言う理由から敵が重戦車を作っちゃったからこっちも持たないと
いけなくなった、とか。同種の兵器が敷衍する最大の理由はこれだけどね。

ちょっと気になったのは繰り返される「まともに戦場走れない」という言葉の定義かな?

戦車で一番重要なのは、まず敵を撃破できる主砲だよね。それをとことん突き詰めたのが重戦車なわけだし。
逆に言えば、どーしても撃破したい戦車が「いない」場合は、その価値を減ずるし、攻撃力が相対的に低下すると
お役御免となる。ベトナムに重戦車を持ち込まなかった理由はベトコンが重戦車を持ってなかったからだし、M103
が退役したのも105ミリ砲の威力が旧式な120ミリ砲を上回って、105ミリ砲を装備したM60が大量に配備されること
が決まったからだし。米陸軍と海兵隊とで退役に時間差があるのも、M60の配備スケジュールの差だし。

最高速度が遅い、というのは、時速にすると10キロくらいの差になるけど、じゃあ実際戦場で最高速度でどんだけ
走る機会があるのかってものあるし。重量についても問題になるのは総重量よりも接地圧で、M103のそれはM4よ
り1割ほど軽いくらい。登坂能力はどっちも60%で同じだしね。燃費についてはディーゼル化が鍵だし、壊れやすい
あれこれというのが変速機とサスであることを鑑みれば、冶金工学の発達によって改善されることだし。

現代のMBTは中戦車を祖としてエンジン出力の向上にあわせて防御力を強化すなわち重量を増加してきた経緯が
あるけど、60トンで大口径砲つんで重防御だけど出力任せの高機動性を持つ戦車をゴールとするなら、数の主力
が重戦車という世界では、重戦車がエンジン出力の向上にあわせて機動性を強化した結果としてのMBTだってあ
ったかもしれないじゃん?

つか、RSBCのドイツは重戦車路線でM4は補助だし、日本も7式中戦車なんてのは名前だけでシャシーは60トンの
重量を見越して設計されてたし。