「戦争と平和(モルトケ軍事著作/片岡徹也訳)」(一部抜粋)

〇永久平和は夢であるが、戦争は神の秩序の構成要素
〇あらゆる戦争が各家庭に深い傷を負わせた、戦争は残酷で凶暴な営み
〇戦争がもたらす苦痛を緩和するには文化水準の向上に期待すること。
 人間性の進歩発達によってのみ戦争の惨禍の軽減がなされる。
〇現在の我々は、道徳的な寛容さが広く行きわたれば用兵においても
 人道が尊重されることを知っている。
 (三十年戦争の蛮性と現代の戦いを比べて見ればよい)
〇文化の発達に応じて戦争に訴えることがまれになればよろこばしい。
 だが戦争を完全に放棄する国はないだろう。
〇軍人精神を害することがあってはならない。軍人戦争を欠いた民兵に
 よる戦争は経済・人名の損失が大きい。
 (アメリカ南北戦争に注意を喚起したい)
〇フランスの遊動護国兵と護国兵はフランスの国土の荒廃と不幸を招いた。
〇ドイツ統一戦争を勝利に導いたのは教育者と軍人である。
〇陸海軍戦力の編制が整備され、装備が充実し、戦備が整っていくほど
 一層の平和が維持でき、避け難き闘争に栄光と勝利をもたらすことが期待できる。

19世紀からの夢と現実ですね。
「三十年戦争」に回帰するような戦略は、長い目でみれば国の滅亡をまねくかと。
(当のドイツ(ナチスドイツ)しかり)