「シリア攻撃はアサドの勝利」と題するイスラエル紙のネット記事
http://blog.livedoor.jp/abu_mustafa/archives/5356806.html

イスラエルという国は面白い国だとつくづく思います。中東の国で、こんな記事をかける国があるなどと、なかなか想像できません。

haaretz net は今回の米英仏のシリア攻撃は、アサドが非道な独裁者であるか否かにかかわらず、
シリア人、アラブ人の反発を受け、アサドはその反射で勝利を得たとの記事を載せています。
記事は、米国等がサウディ等の湾岸諸国のイエメン攻撃に目をつぶり、パレスチナ人の権利を無視する一方で、
民主主義や人道主義を振りかざすという二重基準の行動をしている限り、アラブ人の共感は得られないとしています。

「今回の事件はアサドの勝利である。
今回の事件に関して、ダマスでもどこのアラブの国の首都でも、米英仏の攻撃を歓迎する民衆デモなどは起きなかった。
米等連合は、西側諸国のアラブの首都に対する攻撃は、仮に非道な独裁者に対してであれ、
アラブ民衆からは支持されない、という教訓を学んでいない。
その点で、湾岸等の一部の国の指導者の見方と、アラブ人、ムスリム一般の受け止め方は大きく違っていることを認識すべきである。
アサドの宣伝部隊が頑張らなくとも、既にこの攻撃は「3カ国侵略」とあだ名されたが、
この名前は56年の英仏イスラエルのエジプト進攻のあだ名であり、この事件でナセルはアラブ世界で、帝国主義と戦う英雄に祭り上げられた。
勿論アサドは親父からバース党の政権を引き継ぎ、非道な独裁政治をしてきたことで、基本的にナセルとは違っている。
しかし、彼は如何なる代価を払っても政権にしがみつこうとしていることが明白な反面、米英仏は何を求めているのか明確にできていない。

口では民主主義と基本的人権を守るとしながら、イエメンでの殺戮を止めようとはしていないし、
サウディ等の独裁政権を擁護し、イスラエルがパレスチナ人を弾圧するのを見て見ぬふりをしている。
要するに西側諸国は二重規範で動いていることをさらけ出してしまったのである。
先ずはパレスチナ人に彼らの祖国を与えるための支援をすべきであろう。
今回の事件は単純な力の誇示にすぎなかった。彼らが真にシリア人の為を思うなら、国民的民主的な反政府派を支持すべきであろう。」