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戦地、アフリカ大陸で迎えた民族紛争
国連が大量失点、AU軍も勢いを見せず惨敗だった
暗黒大陸に響く黒人のため息、どこからか聞こえる「戦争する事しか仕事がない」の声
無言で土に還る人々の中、アフリカの青年ウッチ・カワンは独り人骨の山の上で泣いていた
天然資源輸出で手にした栄冠、喜び、感動、そして何より信頼できる国家体制・・・
そんなものは全て権力者の懐に収まり分配など不可能と言ってよかった
「どうすりゃいいんだ・・・」ウッチ・カワンは悔し涙を流し続けた
どれくらい経ったろうか、ウッチ・カワンははっと目覚めた
どうやら泣き疲れて眠ってしまったようだ、冷たい銃口の感覚が現実に引き戻した
「頼む、撃たないでくれ」ウッチ・カワンは震えながら呟いた
立ち上がって懇願をした時、ウッチ・カワンはふと気付いた

「あれ・・・?村から火の手が・・・?」
黒煙の中に飛び込んだウッチ・カワンが目にしたのは、目を背けたくなるような悲劇だった
男と老人の死体はガソリンで焼かれ、地鳴りのように7.62o弾の銃声が響いていた
どういうことか分からずに呆然とするウッチ・カワンの背中に、聞き覚えのある声が聞こえてきた
「カワン、民族浄化だ、悪く思うなよ」声の方に振り返ったウッチ・カワンは目を疑った
「と・・・隣の家のズースー?」  「なんだ異民族、お祈りでもしてたのか?」
「き・・・教師のコマダン先生?」  「なんだウッチ・カワン、かって焼畑面積分配を変えやがって、あそこはもともと我々一族の土地だぞ」
「義兄のイシィ・・・」  ウッチ・カワンは半分パニックになりながら目の前で起きている現実を見上げた
1番:村ごと焼却 2番:一族ごと焼却 3番:8歳以上はレイプ 4番:自分の墓穴を掘らせてから虐殺 5番:タイヤの首飾り 6番:内川 7番:中国製の鉈 8番:隣人が突然 9番:実行犯がその後国の指導者
暫時、唖然としていたウッチ・カワンだったが、全てを理解した時、もはや彼の心には雲ひとつ無かった
「殺す・・・殺してやる!」
○○国から軍事援助を受け取り、戦場で全力疾走するランクル70、それを駆るウッチ・カワンの涙は悔しさとは無縁のものだった・・・

翌日、ベンチで冷たくなっている内川が発見され、吉村と村田は病院内で静かに息を引き取った