「またも負けたか8連隊」という歌がある
大阪の歩兵第8連隊は、日本陸軍最弱の連隊として、悪名高かった
その理由として「日清・日露の両戦争で、連戦連敗だった」
「商人の町大阪で育った兵士たちは、損得を価値基準の最上位に置くため、戦況が不利になればすぐに退却した」 等の話が伝えられている
だが、戦史を調べれば、これらの悪評には全く根拠がないことは、すぐにわかる

この歌の歌詞には「それじゃ勲章くれんタイ(9連隊)、敵の陣屋も獲れんタイ(10連隊)」という続きがある
ここで歌われる第8・第9(京都)・第10(姫路)の3個連隊には、共通点がある
いずれも新編当時、大阪鎮台(後の第4師団)の所属で、西南戦争に投入されたことである
また、2節目以降の歌詞は、連隊の「隊」と、語尾の「タイ」を掛けているが、語尾がタイになるのは九州方言である

そう、この歌は、実際の勝敗や強弱とは無関係に、西郷軍の兵士たちが、政府軍を貶め、自分達の士気を高揚するための歌なのであった