そんな使い勝手の悪い缶入り粉末乾燥卵も、孤立し飢餓に苦しむ日本兵がゲットすればたちまち
彼らの命を繋いだ大ご馳走だったりしましたしな。

とある孤島に孤立し補給も絶たれた日本兵の小部隊が、ある日大きな木箱がいくつも海岸に漂着
しているのを見つけてそれを回収し、木箱を開けたら多数の缶詰が出てきました。

そして大喜びしながら缶詰を開けてみたものの、その中身は訳の判らない黄色い粉だったので、
英語の読めない日本兵たちはてっきり火薬や何かだと思って落胆し、しばらく放置していました。

しかしその後いよいよ食料が底を付きかけていずれ全員餓死しかねない・・
という状況になりかけた時に、誰かが「ひょっとしたらあの缶詰の中の粉は食えるんじゃないか?」
と言い出したので、一番腹の減った者が清水の舞台から飛び降りる覚悟で口にしてみる事に。

その結果食ってみても特に腹を壊さないし、何だか卵の味がするのでどうやらこれは乾燥させた
卵の粉末だという事が判り、それから粉末卵を水で戻して焼いて食べたりして不足していた食料を
補う事ができたので、彼らは餓死を免れ終戦を迎えられたという話がありました。