2030年代まで現役続行 フランス海軍アトランティック2哨戒機の改修型3号機を受領
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 フランスのダッソー・アビアシオンは2020年4月28日(現地時間)、フランス海軍に
近代化改修されたアトランティック2哨戒機の3号機を引き渡したと発表しました。
フランス海軍では、近代化改修を受けたアトランティック2を2032年ごろまで運用
することとしています。

 フランス海軍のアトランティック2は、1961年に初飛行したブレゲー・アトランティック
哨戒機を改良し、1980年代に就役が始まったターボプロップ双発の哨戒機です。ブレゲー
は1971年にダッソーと合併したため、以降はダッソー・アビアシオンが生産と改良を担当
してきました。

 対象となるのは、1989年〜1997年に製造された28機のアトランティック2のうち18機。
当初は15機が対象になっていましたが、改修1号機が引き渡された2018年の追加発注で、
3機の追加改修が発注されました。ダッソー・アビアシオンが担当するのは、このうち7機。
残り11機は、フランス軍事省が出資する半官半民の法人SIAe(航空産業サービス)が
改修を実施しています。

 主な改修点は、タレス製の新しいレーダーとソノブイのシステム、SIAe(航空産業
サービス)が開発した新しい戦術コンソールシステムや、ナーバル・グループが開発した
運用ソフトウェアなど。新しいレーダーは、戦闘機のラファール用に開発されたアクティブ
走査式レーダーの技術が応用されています。

 ダッソー・アビアシオンでは、スタンダール6仕様に改修したアトランティック2を2023年
までに全機納入する予定です。アトランティック2の基本設計は1960年代、機体規模と
しても現代では小さい部類に入りますが、まだまだ現役の哨戒機として第一線にとどまり
続けます。