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朝日、中国ミサイルの脅威報道

朝日新聞が中国のミサイルの脅威を正面から客観的に報道した!?

この事実は私にとって快適な驚きだった。
なぜなら朝日新聞は長年にわたり、中国の軍事的な脅威には必ず「脅威論」として「論」をつけ、現実の脅威が存在することへの肯定を避け、あるいは間接に否定してきたからだ。
いや、それどころか中国の大軍拡が日本への深刻な脅威であることを説く側を「反中派」とか「脅威論者」とか「軍事主義者」などという、おどろおどろしたレッテルで矮小化してきた。

そんな伝統を持つ朝日新聞が4月7日の朝刊一面のトップ記事で「中国、中距離弾開発を加速」という大見出しで、中国人民解放軍の中距離ミサイルの日本への脅威を詳しく伝えていた。
このきわめてまともな報道は朝日新聞のまともでない報道を批判してきた私には新鮮な驚きだった。しかも好ましい事態だとも感じた。
なぜなら中国の中距離ミサイルの日本などへの脅威は国際安全保障の世界では長年の常識だからだ。朝日新聞も中国報道や安保報道ではやっと常識水準に達してきたのかとも思わされた。

中国は射程1000キロから5500キロまでの準中距離・中距離ミサイルを大量に配備して、日本を射程におさめている。
一方、中国の軍事攻勢を抑止する側のアメリカはこのタイプのミサイルをほとんど保有していない。だからこのミサイルの均衡という点では、米中両国間には極端なギャップがあり、中国側が圧倒的な優位に立つ。
だから中国側の軍事的な威圧や脅威は日本にとっても米軍の抑止には頼れない重大な不安定状況を生み出しているのだ。

日本では中国の軍事脅威は国会でも論題とはならない。
とくに野党は日本に切迫した中国の軍事脅威などには完全に背を向け、与党側の些細な欠点の追及に専念する。
そんな国内の政治風土もたぶんに朝日新聞を先頭とする国内メディアの長年の異様な中国擁護に起因するといえよう。