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世界の発展途上国に、中国が猛烈な勢いで開発援助を進めている。流れ込む巨額マネーは希望か、国をむしばむ毒なのか。南米、アフリカ、東南アジアで徹底取材。大ボリュームで特集します。

中国マネーは毒か希望か 借金漬けの途上国、6千字ルポ
南米エクアドル東部に広がるアマゾンの密林地帯。
手つかずの自然の中、先住民たちが主に狩猟採集で暮らす。県庁がある町から悪路を四輪駆動車で2時間走り、小舟でさらに3時間。
先住民キチュアの集落サラヤクでは、広場に住民たちが集まり、「集落を守る」「防御の精神で集落を維持し続ける」と声を上げていた。
名目は防災訓練だが、本当の目的は違う。村人から「司令官」と呼ばれるアンヘル・グアレンガ(44)は「外部からの攻撃に備えた訓練だ。
中国の会社が石油を狙っている。私たちは森の虎になる。一歩も入らせない用意はできている」と語った。
やりや弓矢で武装して、追い返したこともあるという。

【@アマゾン】開発で汚染、やむなく売春も
密林地帯の地下には豊富な石油資源が眠る。2014年、コレア前政権は開発規制がかかったこの地域の石油採掘権を中国企業などに与えた。
先住民は反発する。部族間で連帯し、抗議行動を続けている。
すでに中国企業が開発を始めた地域では、反対派の住民が行方不明になる事件が相次ぐ。
石油会社や政府に雇われた人物、開発を支持する住民の関与を反対派は疑っている。
反対する住民の一人、イレネ・トケトン(34)は「流出した原油などで川が汚染され、魚も動物も減った。
石油採掘に来た中国人相手に、生活のため、売春する女性もいる。生活がめちゃくちゃになった」と訴える。