中国マネー、巨象の虚像 編集委員 滝田 洋一
黒字大国なのにドル不足
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO44637700Q9A510C1TCR000/
>15年に3000億ドルあまりあった経常収支の黒字は、18年には500億ドルを下回るまでに落ち込んだ。この減少は一時的な現象ではない。
>国際通貨基金(IMF)の予測では、中国の経常収支の黒字は19年に600億ドル弱に持ち直すものの、20年に400億ドル強、21年は200億ドル強へと減少。
>22年には経常収支は60億ドルあまりの赤字に陥る見通しなのである。23年以降は赤字が続く予想だ。
>日本やドイツで経常収支の黒字が続く見通しなのと、中国は好対照だ。

>かくて経常黒字が細っているが、国際収支でもうひとつ目を引くのが誤差脱漏だ。
>誤差脱漏とは国際収支でハッキリとは分類できない資金の流れだ。
>どこの国でもその時々で大きく振れるのだが、中国の場合、15年以降は年2000億ドル前後と奇妙に安定している。
>その中身は何か。ひとつの可能性として、外貨準備の運用損が指摘されている。
>19年4月、北京での一帯一路サミット。習近平主席は参加企業が合意した640億ドルの協力事業の新規案件に胸を張りつつ、プロジェクトの持続可能性を強調した。「借り手の借金漬け」という米国などからの批判に応えたばかりではない。
>中国自身が、持続可能性の乏しい案件で、不良債権の山を抱え込むことを警戒しだしたのがうかがえる。