(下記は航フ6月号からの受け売り)
F-35Bをハリアーと比べると
・垂直着陸時のジェット排気の温度はAV-8Bの649℃に対して927℃
・排気速度はマッハ1に達し地上クリアランスも低いので、プレッシャーレシオはAV-8Bの2倍に達する
・この為、着陸地点には十分な防熱対策を施さねばらなず、同時に再補給の為のウェポン類や燃料を
 着陸パット周辺近くには配置出来ない(そう簡単に民間空港などに前進展開出来る機体では無い)
その他、F-35共通の問題点ではあるが特にB型が劣るのは、
・複合材を多用した機体は通電性が悪く静電気が抜けにくい、特にB型は機内レイアウトが複雑なので
 A/C型よりもターンアラウンドに時間を有し、2015年の時点では12時間以内の再発進が禁止されていた
 (改善策は講じされていると思われるが、それでも静電気にはセンシティブな機体ではあるようだ)
・ウェポンベイの高温問題(A/C型も共通、ただしより容量が少なく主エンジンとリフトファンに挟まれた
 B型の方が離陸時から温度上昇しやすく、より深刻)
・ステルス・コーティングの保護、メンテナンスの問題(インフラの整わない応急展開な前進基地では困難)
・(A/Cと比較して定番の)ウェポンベイの容量が少ない、燃料搭載量が少なく戦闘行動半径が小さい問題に
 関連してF-35発展計画の目玉バリアブルサイクルエンジンへの換装プログラム(推力15%、航続距離35%
 の能力向上を期待されてる)からB型は外されている
 この為、現在でもA/C型に大きく劣る兵器搭載量や行動半径が、将来はますます差が開く事になる

要はスポット的な運用が出来るSTOVLの特殊能力を求めた割りに、運用上の制約から当初期待された
前進基地からの作戦も簡単では無く、ターンアラウンドに時間がかかり、兵装搭載量も少なく、航続距離も
短い、(A型に比べて)ブローブ&ドローグ方式の為、空中給油でこれを補うにも時間がかかる、これがA型
よりも30%も高価な機体価格に見合うのか疑問視されて、これならF-35Aを正規の航空基地に展開させて
CASさせた方が効率的な作戦が出来るのでは無いかと、英伊空軍ではF-35BをF-35Aに置き換える再検討
がなされている