>>872
理屈はね
だがその新しい空母たるフォード級のCATOBAR空母としての核心的な艤装である電磁カタパルトも先進型着艦拘束装置も論外のレベルで
海軍が受領を拒否する騒ぎにまでなってしまっている始末

旧式のニミッツ級のROCH予算をフォード級建造に回しても、そんな受領すら憚られるほど問題山積の新空母を幾ら急いで建造したところで
実際に使える戦力としては純減になってしまう

特に電磁カタパルトが完全にNGの烙印を押されてCATOBAR空母として運用するには蒸気カタパルトに置き換えねばならない事態となれば
原子炉で発生させた高温高圧の水蒸気を飛行甲板直下まで導く高圧蒸気管の後付け敷設には艦の最も奥深くまで切り開く大工事となる

原子炉から飛行甲板直下までの蒸気管敷設工事は下手をすれば原子炉区画とその直上部分だけを切り開けば良い
ROCH作業よりも更に大工事になりかねない

とにかくフォード級1番艦のジェラルド・フォードがちゃんと実戦配備できる状態に改修できない限り、
ニミッツ級を早期退役させて、それで浮いた予算でフォード級の建造を急ごうというプランは全く説得力を持たない

それに何よりもフォード級はニミッツ級と比べて建造費が格段に跳ね上がってしまっているのが致命的

今後の事態の推移によってはフォード級の建造は1番艦フォードだけで打ち切り(2番艦も建造に着手してたように思うが、
初期段階だから建造を中止)という事態になりかねない

実際、共産チャイナの急激な空母増勢に対処するためにアメリカが空母戦力を補強するつもりならば、建造費が安く信頼性も高く運用も慣れている
フォード級をどんどん建造したほうが、建造費がバカ高いフォード級を建造するよりは合理的
しかも空母としての能力は実際上は違わない

アメリカ海軍の主張によれば、エレベータ配置の改良で艦載機の取り回しはフォード級のほうが上とされているが
その差が実際の戦いでどこまで違いを生み出すかは怪しい

というのは多数の戦闘攻撃機を反復出撃させる上での実際の限界は、飛行甲板上の取り回し時間の長さの差ではなく、
空母の航空要員(搭乗員だけでなく発着艦を取り仕切る飛行科や兵器科、燃料科などの要員)の疲労度の限界で今までも決まっていたからだ