【元空自幹部も称賛】米軍による中国偵察気球撃墜は「新幹線で自転車を追うような超難度ミッション」だった
現代ビジネス 2/8(水)

(前略)米国防総省の発表によると、F-22は、高度5万8,000フィート(約17.7km)から気球に向けてミサイルAIM-9X「サイドワインダー」を発射。
気球の高度は6万から6万5,000フィート(18.3~19.8km)だったとされている。
つまり、ルックアップ(見上げる)状態で7,000フィート(約2.1km)離れた目標を撃墜したことになる。

この高度で、このような低速の気球というような目標を要撃してミサイルを命中させるというのは至難の業である。
というのも、このような低速で移動する気球というのはレーダで捕捉しづらい目標だからである。
(中略)
トップガン顔負けの超難度ミッション
今回の偵察気球と吊り下げている装備品(スクールバス3台分)ほどの大きさがあれば目視確認はできるであろうが、これを戦闘機で後方から
追尾することなどとてもできない。 走行中の新幹線で自転車を追いかけるようなものだ。
気球の周辺を旋回しながら、目標を視認し続けるしかないのだ。

しかも、ハイハイ(high high altitude)と呼ばれる超高高度帯域(約13,000m~18,000m)で要撃するとなれば、さらに困難を極める。
なぜならば、このハイハイになると、空気抵抗が激減するので操舵翼(動翼)が利かなくなるため、操縦が極めて不安定になる。
加えて、空気(酸素)が希薄になるのでエンジンの燃焼効率が急低下することからアフターバーナー(エンジンの排気に燃料を吹きつけてさらに
燃焼させて高推力を得る操作)を炊き続けなければならず、航続距離が縮まるため活動時間が極端に制限される。

F-22搭載空対空ミサイル「AIM-9X」の赤外線画像(IIR)誘導方式の性能がいかに優れているとはいえ、こんな中で「気球」という熱光源の微弱な
目標に一発でAAM(空対空ミサイル)をヒット(命中)させたのだから凄いのである。
まさに、一発勝負の世界だ。『トップガン・マーヴェリック』顔負けである。
パイロットはおそらく、彼のように事前にハードな訓練を積み重ねていたのではないだろうか。
https://news.yahoo.co.jp/articles/c44f7c96897a417f2ea7bd1f3e4cb8dbc16412ae?page=2