ttps://toyokeizai.net/articles/amp/88956?display=b&amp_event=read-body
中国が香港の大富豪をバッシングする理由
「恩知らず」批判の裏にどんな思惑が
中国政府と、尊敬を集める香港最大の資産家である李嘉誠氏との間に、困ったもめ事が起きている。
この争いは、タブロイド紙で話題になる厳しい離婚のような様相を呈してきている。
中国メディアは最近、情け容赦なく李氏に辛辣な言葉を浴びせている。
事の発端は、李氏が自社の登記を香港からケイマン諸島に移した後に、上海にある主要な資産を売却したことだ。
これ自体はよくあることで、納税義務の最小化を狙った理性的なビジネス上の判断だ。
実際に、香港の上場企業の約70%がカリブ海域諸島で登記されており、インターネット大手アリババなど、多くの中国本土の大企業でさえも、海外のタックスヘイブンで登記を行っている。
「恩知らず」で「非愛国的」
しかし、中国メディアの幼稚な説明によれば、この行為は、李氏が「恩知らず」で「非愛国的」であることを示している。
彼を極貧の状態から世界有数の資産家にした中国という国を、同国が李氏を最も必要としているときに、彼が捨てようとしている、というのだ。