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剣秋さんが女性に窮状を訴えている最中、その近くでは中型バスから障害のある物ごいの人たちを次々と路上におろしていく男2人がいた。
男らは剣秋さんと女性が話し込んでいるのに気づき、飛んできて剣秋さんを蹴りつけた。
女性には「余計なことに首を突っ込むな。殺してやるから待ってろ」と捨てゼリフを残し、剣秋さんをバスに乗せて連れ去ったという。

「警察は信用していない」
女性から連絡を受けて、広西にある剣秋さんの実家は大騒ぎになった。
一家総出で東莞に向かい、10年ぶりに姿をみせた剣秋さんを探し回ったが、再び発見することはできなかった。
剣秋さんの実兄は、番組の中でこう語っている。
記者「なぜ警察に通報しなかったのか」
実兄「剣秋が失踪したばかりのころ、警察に通報したが、なんの反応もなかった。正直いって、私は警察をあまり信用していないんだ」
親類や友人たちが剣秋さんを探して街頭にいる物ごいを観察し続けた結果、その背後にいる管理組織の実態が浮かび上がってきた。
親類たちの証言によると、闇組織は毎日早朝、中型バスに物ごいの人たちを満載して、それぞれ道路上や市場などに配置。
イベントや催しがあるときには大量の人員を投入し、深夜まで働かせるのだという。
物ごいの近くには彼らを監視し、集金や食事の支給を担当する者たちがおり、一様に体格がよく、高級車に乗っていた。
物ごいの人たちを運ぶバスの窓には黒フィルムが貼られ、中の様子をうかがうことはできない。
仕事を終えるとバスに乗せられ、建設現場近くの人気のない道路に停まって夜を越し、翌朝、再び仕事へと向かうのだった。