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◆WHOの緊急委員会開催に時間を合わせていた!
今般の新型コロナウイルス肺炎の発生と流行が「緊急事態に当たるか否か」を協議するため、WHOの緊急委員会が、日本時間の1月22日午後8時頃からスイスのジュネーブで開催されることになっていた。
そのため習近平は1月22日にフランスのマクロン大統領やドイツのメルケル首相などと電話会談し、今般の新型肺炎の対策について、「中国は感染発生以来、予防制御の措置を周到に行い、WHOなどにも速やかに情報を提供している」
したがって中国は「国際社会と協力して対策を取る考えである」ことなどを強調している。
これは、「したがって、どうか今般の新型コロナウイルス肺炎の発生と流行に対して“緊急事態宣言”をしないでくれ」と、発言力のある関係国に頼んだことを意味する。

会議は長引いたようなので、滑り込みでギリギリ間に合ったのだろう。
結果、習近平はWHOに「緊急事態宣言」をさせないことに成功している。
日本時間の1月23日、WHOのテドロス・アダノム事務局長は「緊急事態判断を保留する」と、記者会見で発表した。
つまり「緊急事態宣言」の先延ばしをさせることに習近平は成功したのだ。
すなわち、「封鎖令も出して、きちんと新型肺炎の感染を防ぐための予防制御をしていますから緊急事態宣言を出す必要はありません」というシグナル発信が功を奏したことになろうか。


習近平は必死で「奥の手」を使ったと推測される。

◆習近平とWHO事務局長との関係
その相手こそが、このWHOのテドロス・アダノム事務局長だ。
彼はエチオピア人で、習近平政権になってからエチオピアとの蜜月は半端ではない。

今ではエチオピアへの最大投資国は、言うまでもなく中国である。
2017年7月からWHOの事務局長になったテドロス・アダノム氏はそれまで外務大臣を務めていた。習近平との接触は長い。
どれだけ懇意にしているか計り知れないほど入魂の仲なのである。
そして緊急事態宣言の最終決定権はWHO事務局長の手の中にある。
あの空白の「8時間」は、首の皮一つでWHOによる「緊急事態宣言回避」のためにあったと結論付けていいだろう。
23日の朝10時の封鎖令実行と同時か、それ以降に発表したのでは遅かったのである。