ほらよ、日本軍自身のゼロ戦の爆戦実験

1943年(昭和18年)3月12日、戦爆の零式艦上戦闘機による降下爆撃研究の結果が報告された。
研究は零戦の両翼下に60kg爆弾を装備し、急降下爆撃と緩降下爆撃を行ったもので、
降下角度45度以上の急降下爆撃には不適であるが、緩降下爆撃を行った場合には35%から40%の命中率を記録した。
また6G以内であれば機体強度に問題なく引き起こしが可能だった。60kg爆弾装備の戦爆の零戦による出撃は、
艦爆隊の戦力が減少したソロモン戦線でしばしば行われた。
戦訓として、戦闘機用爆弾投下器が性能低下を少なからず起こすため、改善する必要のあることが指摘された[

五八二空において零戦による緩降下爆撃の研究を行った艦爆の操縦員の所見は、
点目標に対する攻撃は困難であるが面的な目標であれば攻撃可能であるというものだった


緩降下爆撃訓練は以下のようなものであった。零戦は1kg演習用爆弾を両翼に搭載し、
降下角度30度で突入した。速度は555km/hを軽く突破したが揚力がつきすぎて機体の頭が浮き、
操縦員が力で押さえ込むことが難しかった。降下角度をより浅くした場合には艦爆とほぼ同等の爆撃精度が得られた。