日本の防衛装備が中国に後れを取る根本的背景
https://toyokeizai.net/articles/-/274368

実は東日本大震災の際、陸自の無線が通じなく、混乱を招いたことがあった。何世代もの無線機が混在したことも理由だったが、最大の理由は本来、軍用無線にふさわしくない周波数帯が自衛隊に割り当てられていたからだ。

筆者はこの点を震災以前から指摘していたし、震災後は自衛隊内でも震災の教訓の分析で問題となった。ところが防衛省、自衛隊は何の対策も取らず、総務省と調節もしなかった。このため震災後に陸自に導入された最新型の「広域多目的無線機」はそれまでの周波数帯を踏襲して採用し、「いくら改良しても通じない」と現場は危機感を募らせている。

最近でも沖縄県の離島への中国の侵攻を想定した電波妨害訓練が、総務省の承認を得られないために実施できなかった。携帯電話の通信の送受信に使う電波と混信する可能性があるのが理由だ。自衛隊の無線機や電波を使用する装備は総務省の規制によって、実戦ではまったく使い物にならない可能性が高い。防衛省、自衛隊は当事者意識と能力が欠如していると言わざるをえない。