戦争研究所(ISW) ロシア攻勢戦役評価 1700 ET 10.04.2022 / 0600 JST 11.04.2022
@ 4月10日、ロシア軍はマリウポリ中心部から沿岸に向けて市を2つに分割した。その結果、
残存ウクライナ防衛部隊は、市南西の港湾地区と東のアゾフスタル製鉄所の2カ所で孤立することになった。

A ドネツク・ルハンシク両州の前線でのロシア軍の攻撃はこれまで同様に何も進捗がなかった。  一方でロシア軍は更なる戦力強化を続けている。

B マクサーテクノロジーズの衛星写真が、イジュームからの作戦を支援するためにハルキウ州へ再展開中の多数のロシア軍車列を捉えた。

C 数日中、もしくは数週間中に、ウクライナは反撃を実施してヘルソン市に迫ることになるかもしれない。

ウクライナ・メディアによると、ロシア軍は北部から撤退した部隊の兵員にボーナスを支払うとのこと
(例:固定翼機1機撃墜で30万ルーブル)。ボーナスの意図は、北部撤退部隊が再び戦闘に参加することを促す(強要する)目的。

現在、ロシア軍は徴兵対象外者(障害児を持つ人、重要産業従事者等)の徴集を行っている。

ドネツクとルハンシクの両人民共和国(DNR/LNR)では、交通警察官に徴集令状発行権を与え、主要高速道路に検問所を設けている。

ウクライナのルハンシク州知事は10日、約6万のロシア兵が東部に展開したと述べたが、ISWでの確認は取れていない。
また、この兵にDNR/LNRの兵員が含まれているかどうかも未確認。

ウクライナ大統領顧問のアレストビッチ氏は9日、ドンバスでのロシア軍主攻勢が始まったと発言。
また、ウクライナ側は、未特定の南部軍管区部隊、今まで展開していなかった東部軍管区の部隊、北部撤退部隊が増援として展開しつつあると述べるが、
これらすべてが4月10日までにドンバスに到着していない。

4月10日、南部メリトポリにあるロシア軍飛行場と指揮本部(司令部)をウクライナが空爆か砲撃によって攻撃した。  ウクライナ軍の発表。