「黄金の2年」を前に防衛次官交代劇で打った「脱安倍」の布石=平田崇浩
https://weekly-economist.mainichi.jp/articles/20220719/se1/00m/020/027000c

安倍政権「負の遺産」3点セット

 そう考えると、岸田首相が当面手に入れたのは「黄金の2年」。首相が2年後の衆院選と総裁選を乗り切るために打った一手が
防衛事務次官の交代人事だ。知米派の政府関係者は「安倍政権から引き継いだ負の遺産3点セットを一気に処理しようということ
だろう」との期待を込めた見立てを語る。

 3点セットとは、安倍晋三元首相の在任中に導入が進められた(1)陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」、
(2)敵ミサイルの射程圏外から敵の艦船などを攻撃するスタンドオフミサイルの国産開発、(3)18(平成30)年度から建造の
始まった新型護衛艦(30FFM)──を指す。安倍政権下でゆがめられた防衛装備体系を象徴する案件として防衛省・自衛隊内
の一部で問題視される。