○矢追秀彦君 また話が長期防衛構想に戻って恐縮ですが、一点だけお伺いしたいのですが、先ほども少し木村委員のほうからでしたか、海上自衛隊の増強の問題が出ておりましたが、原子力潜水艦の問題をお伺いしたいのですが、防衛庁としては、今後原子力潜水艦の建造は計画をされておるのか、あるいは検討中なのか、絶対されないのか、この点はいかがですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 防衛庁としましては、原子力推進による船舶が普遍化してきて普通のものになるというときまで、原子力潜水艦の推進力に使うことはやらない方針になっております。
○矢追秀彦君 いまのお話だと、一般化された場合、たとえばいま原子力商船ですか、「むつ」ですか、できつつありますが、ああいうものができ上がり、将来かなり日本の中で普通の商船あるいはタンカー等に原子力のエンジンが、原子力による推進が行なわれるようになった時点ではつくると、こういうふうな意味だと思うのですけれども、そう解釈してよろしいですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 大体そのように思います。
○矢追秀彦君 その場合に、原子力基本法との関係はどうなりますか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 抵触いたしません。私は原子力基本法をつくったときの提案者であり、国会に説明したものでございますけれども、そのときに明確に、たとえば推進力として普遍性を持ってくる場合には、自衛隊がこれを推進力として使っても、この基本法には違反しない、そういう説明を加えております。そういう了解で、あの法案は全会一致で通ったように記憶しております。
第63回国会 参議院 予算委員会第二分科会 第2号 昭和45年4月14日