“ガス欠状態”のウクライナ軍、M109自走榴弾砲の弾薬は「発煙弾のみ」

[ロン米国の戦略・国防・外交に関する分析と討論のオンライン・プラットフォーム「ウォー・オン・ザ・ロックス」に、ウクライナ戦争に詳しい米超党派シンクタンク「カーネギー国際平和基金」のマイケル・コフマン、ダラ・マシコット両上級研究員、外交政策研究所のロブ・リー上級研究員という気鋭の3人が共同で寄稿(1月26日付)している。

 満を持して昨年6月に始まったウクライナ軍の反攻は完全に不発に終わり、長期的に見た場合、現状維持も難しい状況だ。国内軍需産業を動員し、戦線の一部で主導権を奪い返したロシアは今年、人的にも、物的にも優位に立つ。一方、ウクライナは西側からの弾薬供給が著しく減少したため、戦線全体が極度の砲弾不足に陥っている。

 今年11月の米大統領選でドナルド・トランプ前大統領が返り咲き、西側の支援が大幅に減った場合、ウクライナは疲弊し、弱者の立場でウラジーミル・プーチン露大統領との「停戦交渉」に応じざるを得なくなる。

 しかしロシア軍も攻撃には敵の3倍超の兵力が必要という「攻撃3倍の法則」に阻まれ突破口を開けず、東部ドンバスも掌握できない膠着状態が続く。

■ ロシアの国防費はGDPの6%、「実際には8%」との観測も

 コフマン氏らは「暗い現実にもかかわらず、西側の十分かつ適切な支援があれば、ウクライナは戦闘力を回復し、来年には優位性を取り戻せる可能性がある。この1年を賢明に使い、根本的な問題に対処し、反攻が不発に終わった教訓に学べば、ウクライナ軍にはまだロシア軍を撃退するチャンスは残されている」と望みをつなぐ。

 ロシア経済は夥しい財政出動で昨年3%成長の世界経済を上回る3.5%成長を達成できるとロシア政府は胸を張る。原油価格が1バレル=80ドル前後なら「中国のガソリンスタンド」と蔑まれてもプーチンはびくともしない。戦争資金の捻出、国民生活の維持、マクロ経済の安定を達成できる。それが資源国の強みであり、プーチンとアドルフ・ヒトラーとの違いだ。
https://news.yahoo.co.jp/articles/aff07fcb65717f9094051cdd0a7525efbcc6c860
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