「とんでもない話」憤る被爆者 イスラエル閣僚「ガザに核」発言

 「とんでもない話だ。相手を根絶やしにするため、本当に使うかもしれないという怖さがある」。80カ国以上で被爆体験を証言するなどしてきた田中稔子さん(85)=広島市東区=は憤った。

 田中さんは6歳の時に広島の爆心地から約2・3キロの自宅近くで被爆し、高熱で数日間、意識を失った。「核兵器の使用がどれほど恐ろしいことか、考えが及んでいない。各国指導者は自国の国益だけを優先するのではなく、世界全体を見渡して平和への道筋を見定めてほしい」と望んだ。

 広島県原爆被害者団体協議会の佐久間邦彦理事長(79)は「発言の根底に、どこかの局面でイスラエルが核兵器を使おうと考えていることがうかがえる」と懸念し、「国際社会が核兵器反対と停戦の声を強く上げる必要がある。被爆国である日本の政府なら積極的に動けるはずだ」と外交努力を求めた。
「何てことを口にするんだ」

 長崎でも反発の声が聞かれた。長崎原爆被災者協議会の田中重光会長(83)は「何てことを口にするんだ。人口が密集するガザに使用するのは人の考えることじゃない。原爆は無差別攻撃で、生きて逃れることはできない」と批判。事実上の核保有国でありながら核拡散防止条約(NPT)に加盟していないイスラエルの閣僚の発言に、「被爆者として強い危機感を感じる」と語った。

 また、長崎県平和運動センター被爆者連絡協議会の川野浩一議長(83)は「『核を使うぞ』という脅しを口に出すべきではない。戦況がさらに悪化すれば、それが現実になってしまうかもしれない。戦争体験者として、日々の戦闘の映像を見ていると目を覆いたくなる。一体どれだけの人が殺されるのか」と話した。

やっちゃたね…
もう日本で支持の取り付けは無理だよ