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二学期ともなれば農家にとっては一番多忙の収穫時期なので晴れた日曜日などは農作業の手伝いを命じられた。仕事の最中に米穀商がきて父と二人で畦に腰掛け、キセル煙草、堂島の米穀相場を中心に米売買の長談義だった、談合の如何が収入を大きく左右するので慎重ならざるをえなかったのだろう。農協に保護されている現在とは雲泥の差といえよう。