教皇、ウクライナに和平交渉促す 「白旗あげる勇気を」:日本経済新聞
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ローマ教皇フランシスコが2月に収録されたスイスのテレビ局のインタビューで、ロシアの侵攻を受けるウクライナに戦闘での敗北を認め、和平交渉を始めるよう促したことが明らかになった。侵略行為に融和的と受け取られかねない発言で、波紋を広げそうだ。

ロイター通信が9日、20日に放映予定のインタビューの一部を報じた。教皇はウクライナ侵攻に関し「最も強いのは、状況を見つめて国民のことを考え、白旗の勇気を持って交渉する人だ」と言明した。

「敗北し物事がうまくいっていないとわかったとき、交渉する勇気を持つべきだ」とも強調。「事態がさら​​に悪化する前に、交渉することを恥じてはいけない」とも語り、大国に調停を求めるよう促した。自らが和平に向けた仲介役になることへの意欲も示した。

2年にわたる侵攻で拡大し続ける民間人の犠牲に心を痛めた末の発言とみられるが、侵略国に融和的だとの批判が広がっている。ローマ教皇庁(バチカン)の報道官は声明で、インタビュー中の「白旗」という言葉について「敵対行為の停止と勇気ある交渉で達成された停戦」を示すために使われたと説明した。