無防備の「虎の子」護衛艦 「衝突なら運用に支障」―ドローン空撮に強い危機感・防衛省
www.jiji.com/sp/article?k=2024051300622&g=soc

自はいずも型護衛艦を横須賀基地と呉基地(広島県)に1隻ずつ配備する。建造費は1隻1100億円超。複数の哨戒ヘリコプターを同時に運用できるよう広い飛行甲板を備え、高い対潜水艦戦能力を持つ。太平洋側の防空や南西諸島防衛などのため、航空自衛隊が導入するステルス戦闘機F35Bを搭載できるよう「空母仕様」への改修も進む。2隻で計約770億円の改修費が計上された。

 防衛省関係者は「ドローンが通信・武器システムなどに衝突すれば、抑止力を高めるために巨費を投じた護衛艦の運用に支障を来す恐れがある」と懸念する。

 ドローン規制法では対象防衛関係施設に指定された自衛隊基地とその周囲約300メートルの上空では飛行が禁止される。違反すれば電波妨害による強制着陸などの措置が取れるが、今回は接近した。防衛省幹部は「実際に対処していれば、ドローンが(いずも頭上を)これほどきれいに飛んでいくことはない」と述べ、強制措置が取られなかったことを認める。

 横須賀基地には、北朝鮮の弾道ミサイル迎撃任務に就くイージス艦も配備されており、損傷すれば日本の防空網に穴があく可能性もある。イージス艦は舞鶴基地(京都府)や佐世保基地(長崎県)にも配備されており、ドローン対策は全国的な課題だ。