■Dolby Atmos/DTS:Xを簡単に解説5
【トップスピーカーに使用するスピーカー】
旧来のDolby PLIIz、DTS Neo:X、Audyssey DSX、シネマDSPの7.1〜11.1chで使用していた
フロントハイトなどの場合は、主にサラウンドchから作成した残響音やアンビエントに
使用していたので、小型で音質も適当なスピーカーでも大丈夫でした。

しかしAtmos/DTS:Xは劇中の音そのものをオブジェクトとして扱い、エフェクトや効果音、環境音
だけではなくBGMや音声もあらゆる音をトップスピーカーに出力します、帯域制限もないので
20Hz〜20kHzのフル帯域の音です、衝撃音・爆発音などもトップスピーカーで出力します。

従ってベストはフロントと同じスピーカーですが現実的ではないので、同シリーズのスピーカーや
シリーズの埋め込みスピーカー、現在サラウンド用に使ってるスピーカーがベストです。

しかし天吊りの場合、天吊り可能なスピーカーで重量も考える必要があるので、設置可能なスピーカーは
限られてきます、なるべく音色や音質が近いスピーカー、なるべく低域も出るスピーカーが望ましいです。

まあ、実際のところ殆どの人は妥協して設置してますので、サイズや価格で選んでも構いません。
但し激安の小さなサラウンド用スピーカーを使うとパフォーマンスは確実に落ちます。

また、Dolbyのインストールガイドではトップフロント/トップミドル/トップリアは真下に向ける
となっていますが、これは分散角の広い(指向性が広い)スピーカーを使う前提なので、
通常のスピーカーの場合、ブラケットで視聴位置に向けて設置する事を個人的におすすめします。

なおイネーブルドスピーカーは、どうしても天井に設置できない場合は有効ですが、
天井に設置したスピーカーと同じようにはならないので、あまり期待しない方がいいです。
可能な限り天井にトップスピーカーを設置することをおすすめします。