こんな感じかね。今では抗議も形だけになってるようだ。


角岡伸彦『カニは横に歩く 自立障害者たちの半世紀』157 頁

関西青い芝は、今度は兵庫県庁の一室を二六時間にわたって占拠した。…
兵庫県庁の占拠は、その前年から兵庫青い芝が県に対して求めていた自主管理施設の交渉が決裂したのが発端だった…
兵庫青い芝は県に対し以下を要求していた。

・さわだ、たかしをはじめとする重度障害者が自活するための(約10名)、小さな施設(もちろん、普通の人の生活領域の中で、プライバシーを
守るために、アパート形式のもの)を早急につくってください。
・その施設の管理運営権をわたしたちにまかせてください。
・介護者の人選権は私達にまかせ、県職員として採用してください。
・以上に関する予算措置を早くはかって下さい。(『我が怒りを知れ』兵庫青い芝、一九七六年)

 第一回目の交渉から1年あまりが経った七六年四月、障害福祉課はこれまでの交渉を白紙に戻すことを言明した。交渉決裂に怒りをあらわにした兵庫
青い芝は、関西青い芝の支援を得て抗議行動に乗り出した。
 六月二四日午後三時半。総勢三〇人が障害福祉課に乗り込み▽課長の問題発言に対する謝罪文を提出すること▽県の障害者施策を検討する委員会に
青い芝を参加させること▽神戸市内に自主管理施設を建設することなどを訴えた糾弾書を手渡し、交渉継続を求めた…
午後七時。県幹部が「退去しなければ警察を呼ぶぞ!」と忠告するが、青い芝側は動じなかった。結局、青い芝のメンバーは、一夜を障害福祉課で過ごすことになる。
当日参加していた兵庫青い芝の長谷川良夫が語る。
 「すごかったで。松本(孝信)なんか資料が入ったロッカーめがけて小便したりね…」
 一夜明けた障害福祉課は、前日とは全く異なる様相を呈していた。青い芝側の資料には次のように記されている。

 机、窓ガラス、壁には怒りの文字が書きつらねられ、床には食べカスが散らばっています。これこそ障害者に似合いの部屋です。障害福祉課の機能は全面的に
停止し、障害福祉課の机の上には障害者がねころがっている。これが本当の障害福祉課なんだと……。
 (『6月24・25日の26時間 障害福祉課座り込み 差別糾弾闘争の内幕』兵庫青い芝、一九七六年)


職員により県庁から排除されるが、書類物品を破壊したり、職員にかみつく、ける、衣類を裂くなどの暴行を働いたという。しかし、逮捕者はいなかったw
無理難題を要求して、公共資産を占拠破壊しても逮捕もされない団体が全国の行政、マスコミをビビらせたことは言うまでもない。