★ダウン症マウス 脳の発達が改善

http://www3.nhk.or.jp/lnews/kyoto/2016213451.html

ダウン症の子どもを妊娠しているマウスに、特殊な化学物質を投与することで子どものマウスの脳の発達が改善したとする研究成果を京都大学のグループが発表し、今後、ダウン症の治療法の研究に役立つと期待されています。
これは京都大学大学院医学研究科の萩原正敏教授らのグループが発表しました。
ダウン症は、染色体に「トリソミー」と呼ばれる異常があることで起こる病気で知的障害や心疾患などの症状を伴います。
グループでは、トリソミーのマウスでは、遺伝子の影響で神経細胞の元となる「神経幹細胞」の働きが妨げられていることに注目し、700種類余りの化学物質の中から神経幹細胞を活性化する物質を探す実験を繰り返しました。
その結果、グループが「アルジャーノン」と名付けた化学物質に異常な遺伝子の働きを抑え、神経細胞を増やす効果があることが分かったということです。
この物質をダウン症の胎児を妊娠している母親のマウス12匹に6日間投与し、胎児の脳を調べたところ、投与しない場合と比べて大脳の神経細胞の厚みが増し、脳の発達が改善したということで、産まれてきた子どものマウスでも認知機能が改善していたということです。
萩原教授は「マウスでの実験なので、ヒトでも同じ効果が見られるかは慎重に検討が必要だ。将来的には妊婦が出生前検査を受けて、子どものダウン症が分かった際に治療できるようにしたい」と話しています。