頻度・年齢・発症日数・ワクチン接種の有無についての報告

インフルエンザ脳炎・脳症に関する厚生省の調査では、1999年1月から3月までに全国で217例のインフルエンザ脳炎・脳症と考えられる症例があり、
男女比に差はありませんでしたが、別の報告では男性の方が多い傾向にあります。
発症年齢は、5歳までに全体の82.5%が含まれ、中央値は3歳でした。217例のうち、完全に回復したものが86例、
後遺症の残ったものが56例、死亡したものが58例で、インフルエンザの発症から脳炎・脳症の発症までの期間は平均1.4日でした。
このなかにインフルエンザワクチンの接種例はありませんでした。

A香港型インフルエンザに伴うウイルス血症が発症に関与しているとすれば、血液中の抗体を高めるワクチン接種に予防効果があると推測するのが妥当であり、

脳炎・脳症の発症まで平均1.4日と短時間であることから、治療は非常に困難であり、
インフルエンザそのものの発症予防としてワクチン接種が重要であるという意見が大きくなっています。