建前もなにも、都立中高一貫校の設立目的は、
1.生徒の個性・創造性の伸長
2.日本人に求められる資質の育成
3.社会で信頼されるリーダーの育成
の3つで、ストレートに解釈すれば進学校のそれではないとも思う。

一方、多分に「そんなの建前だよ!」と一蹴されるご意見もごもっともだと思う。
また、各学校の毎年の経営計画目標には難関国公立の合格者数が掲げられているし、先生方だって進学実績あげるために熱心に指導してくださる。
授業だって先取り学習や検定外教科書の使用など、親の目から見ていてもそこまでやるのか?と思うこともしばしば。
そういうことを期待している保護者もいるだろうし、まだまだ物足りないと思っている保護者もいるとは思う。

でも、「ほとんど無償で私立中高並みの教育!」とか言って塾をはじめとする受検(受験)業界が正直、煽りすぎだし、それにまんまと乗せられている受検世代も期待しすぎだと思う。
そんなことを期待されて、都立の設立目的を「建前論!」と批判されて捨ててしまっては都立の存在意義は無くなるし、少なくとも自分は全く都立に魅力を感じなくなってしまうと思う。
少なくとも大学入試そのものには無関係であろう授業や行事も多いし、土日の部活も忙しいが、子どもは大変充実した学校生活を送っている。地元中学では絶対に味わえない貴重な経験は多い。
自分はいわゆる私立男子進学校出身だが、少なくとも自分の出身校の学校生活とも全く異質のものだと感じている。
それが都立の魅力なのだ、と子どもを入れてから感じるようになった。
そりゃ自分だって子どもが良い大学に入ってもらいたいし、まだまだ基礎学力をつけなけりゃいけない学年の保護者としたら学校にも期待はしているが、最終的に期待するのは学校ではなく自分の子ども自身の努力だと思っている。

何人かの方が書かれているが、大学進学実績を最優先項目で都立を選ぶ人なんてむしろ少数派だし、都立の設立目的に賛同する人だけでなく、学費が安いから、共学だから、給食があるから・・・・といった本音で選ぶ人が多いと思う。
それも一種の多様性だと思うし、それを否定的に捉える方というのはそもそも都立に向いていないのだと思う。