★中3に避妊教育…適切? 都教委「性交渉助長恐れ」 識者「行動慎重になる」
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180515-00000069-san-soci

 東京都足立区立中学校で行われた性教育が都議会で「不適切だ」と指摘されたことをめぐり、性教育の在り方が注目を集めている。
学習指導要領を超えて避妊や人工妊娠中絶に言及した内容を問題視し「性交渉を助長する可能性がある」と、“行きすぎた性教育”を懸念する声が出る一方、識者らからは「正確な情報は行動を慎重にする」といった意見も。
「学校で何をどこまで教えるべきか」をめぐって議論が噴出している。(高橋裕子)

 「生徒や保護者の多様性に配慮し、現場は萎縮せず積極的に性教育を行ってほしい」「時代を先取りして教えるのがベストなのか」。
授業の経緯が報告された4月26日の都教委定例会では、教育委員から賛否両方の意見が出た。
この会合では、「今後、学習指導要領を超える内容を扱う場合には、保護者の了解を得た生徒を対象に個別やグループで指導を行う」とする方針が確認された。

 足立区教委によると、授業は3月、3年生の総合的な学習の時間に「自分の性行動を考える」と題して実施された。
「高校生の性交は許されるか」などについて数人の生徒が意見を述べ、養護教諭らが避妊や人工妊娠中絶に関する正しい知識を説明。コンドームや緊急避妊薬などの特徴や使い方、入手方法を明記した資料も配布した。
学校は事前に保護者会などで周知し、授業を保護者らに公開したが、否定的な意見はなかったとしている。

 この授業を問題視したのは都教委だった。
生徒全員を対象とした授業で、小中高いずれの学習指導要領でも扱わないことになっている性交渉を取り上げ、本来高校で扱う避妊や人工妊娠中絶について具体的に説明したためだ。
都教委は「性交をしてもよいかのような内容で、かえって助長する可能性がある」と指摘。保護者への説明も不十分だったとする見解も示した。

(つづく)