11/10(水) 17:01 Yahoo!ニュース
《このような事態が発生し皆様におかれましては多大なご心配とご迷惑をおかけすることになりましたことを深くお詫び申し上げます》
中・高一貫教育の名門私立「暁星中学高等学校」(東京都千代田区)のホームページに、そんな謝罪文書が掲載されたのは10月29日のこと。同校教員が、在校生や卒業生、教育関係者の個人情報などが入ったUSBメモリを紛失したとする校長からの報告だった。
文書はこう続く。
《現在紛失したUSBメモリは見つかっておりません。紛失が判明したUSBメモリには、本校在籍の氏名・住所・電話番号などの個人情報や成績、卒業生徒を含む学外の方のデータも含まれていました》

さて、同校ではここ数年、刑事事件をはじめトラブルが相次いでいる。

2016年10月には高校1年の生徒が校内で同級生2人と教員をナイフで切りつけ、傷害容疑で現行犯逮捕。'18年夏の校外合宿中には、教員が中学1年の生徒に対して「おまえはクズだ」などと人格を否定する言葉で怒鳴りつけたほか、同年秋には教員間でイジメにつながりかねないやりとりが判明。

2020年1月には中学サッカー部で暴行事件があった。今年2月にも教員がカギで生徒の頭を小突き、流血する騒ぎがあったばかりだった。

USB紛失は、こうした“事件”の当事者生徒の情報が外部に漏れる危険性をはらむ。とりわけ刑事事件になった事案では、加害生徒が特定される情報が含まれていた場合、少年法の精神に反する重大事態となる。

ここ最近いろいろと問題が起きているが……と前記した事案を列挙して説明を求めると、
「お恥ずかしいかぎりです。申し訳ありません。ただ、2016年の事件の情報は含まれておりませんので」(前出・校長補佐)
最近の事案については、一部情報が含まれていることを認めた。
まずはUSB発見への対応を優先しながら、再発防止に向けた危機管理の強化策を検討中という。

当該教員や監督責任者の処分については「それから先の責任問題はおそらく出てくると思っております」(同・校長補佐)と答えるにとどまった。

なぜ、USBメモリ紛失にかぎらず問題が続くのか、騒動がのど元をすぎる前にしっかりと検証する必要がありそうだ。